ビジネスインテリジェンス(BI)ソフト開発の日本ビジネスオブジェクツ(印藤公洋社長)は2009年度(09年12月期)、売上高を昨年度比でおよそ4倍に増やす計画を立てた。これまで手薄だった中堅企業の市場開拓やオンデマンドサービスの開発、有力業務パッケージソフトとの連携など新しい販路やサービスを投入することで売り上げ増を目指す。

 同社の昨年度(06年12月期)連結売上高はグローバルで前年度比16%増の12億5400万ドル(約1500億円)。この成長率を持続させることで09年度には20億ドルの売り上げを目指す。昨年度売上高全体に占める日本などアジア地区の構成比は約7%だが、同時期までに2倍近い約15%に引き上げる。

 アジア地区の売上高構成比のうち日本の占める比率は半分程度。「経済規模に比べて構成比率が低い」(印藤社長)ことから重点的に取り組む。国内での売上高は昨年度比で4倍に増やすことを目指す。

 こうした経営方針のもとで、まず着手したのが中堅企業市場の開拓。国内約3000社の顧客数のうち年商300億円以下の中堅企業が占める比率は1-2割程度と低い。今年2月20日にはBIに必要な製品群を中堅企業向けにパッケージ化した製品を投入。ライセンス価格は280万円から。個別の製品を買いそろえてBIシステムを構築していくより割安に設定した。

 中堅中小企業市場に強く、00年から日本ビジネスオブジェクツと販売業務提携を結んでいるSIerの大塚商会の後藤和彦執行役員は「積極的に販売する」と明言。パートナーの支持も取り付けた。

 一方、大企業向けでは全社横断的にBIを使えるミドルウェア製品群を拡充し、より多くの部門・ユーザーが日常的に使えるよう営業活動を強化する。従来、経営幹部など限られたユーザーしか使っていないケースが多く見られた。経営指標を算出する元となるデータを全社から収集するエンタープライズ情報管理システムを駆使し、より詳細な経営分析ができるようにする。

 たとえば、ユーザーは顧客ごとにかかるコストを正確に割り出したり、これに基づく利益を時系列で並べたりと「より深く、正確に経営指標」を導き出せる。詳細なデータの収集が可能になれば、部門単位で必要な指標を抜き出し、日々の営業・生産活動に役立てやすくなる。大企業の部門単位や中堅企業でも、日常的に活用する業績分析ツールとして幅広く普及させることを狙ったものだ。

 オンデマンドサービスの提供も検討する。これまでは自社内のデータを元にした分析しかできなかったが、オンデマンドサービスで競合他社の市場シェアや動向などの情報を“BIコンテンツ”として販売。コンテンツは市場調査会社などから仕入れる。これにより自社と他社の比較が可能になり、さらに踏み込んだ戦略を立てやすくなる。「年内にはサービスの概要をまとめていきたい」と早い段階でのサービス開始を目指す。

 また今年1月1日付でパートナー連携の専任部門を新設。販売パートナーとの連携だけでなく、国産ERPベンダーなどISVとの連携も強化する。売れ筋の業務アプリケーションとの親和性を高めることでBIの拡販つなげる考えだ。

 BIを身近なツールとして普及促進を図るとともにオンデマンドサービスの立ち上げ、ISVとの連携強化など「多面的に攻めていく」ことで売り上げ増を実現する考えだ。