インフォコム(吉野隆社長)は、官公庁や自治体などを中心に、既存OSのセキュリティ強度をよりセキュアにするOS強化ツールとして、サン・マイクロシステムズのSolaris10に対応したトラステッドOS「PitBull Foundation Suite for Solaris」などの販売を本格化させる。政府は昨年7月、不正アクセス事件の多発を受け、官公庁や民間企業がセキュアOSなどを採用してサーバーを強固にすることを促す方針を打ち出した。このため、官公庁に浸透するSolarisOSを簡単に強化できる、今回販売する製品の需要が高まると判断。直販と、代理店を通じた間接販売で、今後1年間に3億円の売上高を目指す。

 米アーガスシステムのトラステッドOS「PitBull」シリーズは、同社が1997年から国内総代理店として販売を進めている。既存の市販OSに追加導入することで、既存アプリケーションなどを修正せずにサーバーのセキュリティを強固にできる。今回販売した2製品は、「官公庁の既存ウェブサーバーの7-8割に採用されているSolaris環境向け製品として出した」(新須哲朗・セキュリティソリューション部副部長)と、SolarisOSのリース期間などを考慮して、リプレース需要を狙う。

 このうち「PitBull Foundation Suite for Solaris」(1ライセンス430万円から)は、セキュリティ国際標準規格の「ISO15408(TCSEC B1)」に準拠し、セキュリティホールの被害を限定・局所化したり、アプリケーションやウェブサーバーが侵害されても基幹システムのセキュリティを確保できる。また、同スイートのなかから侵入防止に必要な機能を厳選して実装した商用向けセキュリティプラットフォーム「PitBull LX」(同150万円から)は、導入設定・管理が容易な簡易版として提供する。

 政府の情報セキュリティ政策会議が策定した構想や統一基準などでは、政府・官公庁の基幹システムにセキュアOSなどを利用した強化策や最適化策が打ち出された。しかし、「LinuxOSを採用して全体最適化を図るには、数多くのプログラムを書き換える必要があり、相当なコストが必要になる。そのため、まずは既存OS環境を強固にする動きが鮮明になるだろう」(森義彦・セキュリティソリューショングループ課長)と、08-09年度以降にOS強化の動きが本格化すると見て、他社に先駆けて製品と販売体制を整えた。

 当面は官公庁や自治体を中心に営業展開するが、「すでに、複数のキャリアや大企業から引き合いがある」(新須副部長)と、段階的に電気・ガス、放送など社会インフラや金融、流通、物流など強固なセキュリティを必要とする民需へとシフトする。同社のセキュリティ事業は年商約5億円。今回の製品は1年間で3億円を目指しており、「フラッグシップ」的な商材として定着を狙う。