【ソウル発】通常の半額以下となる50万ウォン台(約7万円)の中国製ノートPCが、韓国市場で勢いを増している。2005年では、わずか1%に過ぎなかった中国製のシェアは、昨年末には15%に跳ね上がった。今年に入ってからは20%に迫まる勢いで、価格も40万ウォン台に入りつつある。超低価格であることが、何よりも人気の要因だが、OSが別売りだったり、低スペックのためゲームやグラフィック作業には向かず、Windows Vistaを使うにも無理なPCもある。

 低価格ノートPCの人気は電気街やオンラインショッピングモールの需要増からも分かる。大手オンラインショッピングでは50-60万ウォンの低価格ノートPCが全体の30%、一日平均300台ほどを占めているという。これは06年の約2倍にあたる規模だ。

 デスクトップPCではハイスペック製品を重視する傾向にあるが、ノートPCはセカンドPCとしてインターネットができるくらいで十分と考えるユーザーも多いことが好調な要因となっている。

 こうしたユーザー意識を背景に中国製超低価格ノートPCは、今年に入って10種以上に増えた。06年10-12月から東芝、HP、レノボなど有名メーカーも60-70万ウォン台に値下げした低価格モデルを発売中で、価格競争が一段と激しさを増している。

 ここに台湾のMSI社までが進出を表明しているので、さらに市場争奪戦は熱くなりそうだ。

 超低価格PCによる影響力が大きくなると、プレミアム製品を主体としていた三星電子、LG電子も緊張するしかない。

 両社は昨年まで、中国製は知名度もないしアフターサービスもないので、あまり売れないだろうと強気になっていたが、予想は見事に外れた。

 ブランドパワーを誇る三星電子も低価格ノートPC市場に参入する動きを見せ始めた。これまで同社は150-200万ウォン台のプレミアムノートPCに力を入れてきたが、07年は築き上げたイメージよりも売り上げが大事という「実績主義」を強調する経営方針から、低価格市場にも手を出そうとしている。

 三星電子は近いうちに低価格の「三星R20」ノートPCを発売する計画であると、2月末に発表した。この製品は、ブラックカラーにCeleronMまたはCore2Duoプロセッサ、60-160GBのHDD、ATIのグラフィックチップ、無線インターネットのWifiと、Bluetoothが装着される。

 三星電子はこのノートPCの価格を100万ウォン前後にまで下げるとしているが、円安の影響から100万ウォン以下の日本製ノートPCとの競合は避けられない。低価格市場へ流れる顧客を食い止められるかどうかは疑問だ。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)