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韓国のPC動向 ハイブリッドHDD採用ノートPC 三星電子が韓国で初めて投入 コア2デュオ搭載で23万円

2007/05/14 21:36

週刊BCN 2007年05月14日vol.1186掲載

【ソウル発】世界で初めてハイブリッドHDD(ハードディスクドライブ)を公開した三星電子が4月23日、韓国で初めてハイブリッドHDD内蔵ノートPC(senseR55)を発売した。この製品に内蔵されたハイブリッドHDDは昨年、Windows関連カンファレンスで発表された「三星フラッシュオンMH-80」モデルの商用化バージョンで、既存の磁気ディスク基盤(80GBHDD)に256MBのNANDフラッシュメモリを内蔵し性能を高めた。Windowsの中核システムファイルを速度の遅いHDDではなく、高速フラッシュメモリに記録するため、HDDに比べて消費電力や安全性、騒音での優位性は高い。

 三星電子が販売を開始した「senseR55」は80GBハイブリッドHDDとWindows Vista Home Premium、インテルのコア2デュオT5600(1.83GHz)を内蔵した。画面サイズはWXGA LCD 15.4インチワイド。値段は180万ウォン台で約23万円だ。

 senseR55にはVistaの「レディードライブ(Ready Drive)」技術が適用されているため、ハイブリッドHDDの性能を十分に生かす。「レディードライブ」はハイブリッドHDDに内蔵されたフラッシュメモリの読み取り、書き込みの臨時保存所として活用し、ディスク回転数を減らしバッテリの消耗を減らしてくれる機能だ。 三星電子は「自社テストの結果、フラッシュモード動作中は既存HDD対応に比べて3倍以上の外部衝撃でも損傷なく正常に動作した。小容量データ(10MB)を読み込む際の速度は26%、書き込み速度は71%以上に高速化した」。また「ブーティング速度も1分程度かかっていたのが約40秒にまで短縮し、HDD電力消費は32%減少し、寿命も10%以上増加した」と性能の高さを説明した。

 ハイブリッドHDDはメモリとシステム非メモリ(LSI)、ストレージ(保存装置)といった三星電子半導体事業の3大中核技術を結合させた製品で、昨年5月に試作品を公開していた。

 同社の半導体総括関係者は「1億8000万台規模のノートPCが販売される09年には、2.5インチHDD市場の70%以上をハイブリッドHDDが占めるだろう」と予測している。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
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