【ソウル発】三星とLGグループに分かれ、海外から輸入してもお互いのパネルは購入しないなど対立関係にあった両社が、世界シェア1位を守リ抜くための競争ではなく、「相生(共生)経営」で連合することに合意した。三星電子、LGフィリップスLCD、LG電子、三星SDIなど韓国ディスプレイ市場をリードする企業は5月14日、ソウルで200人余りが参加して「韓国ディスプレイ産業協会設立」の記念式典を開催した。

 韓国ディスプレイ産業協会の初代会長にはイ・サンワン三星電子LCD総括社長が就任した。会長の座を巡り、三星とLGが水面下で熾烈な主導権争いを続けたが、三星が3年任期の2年だけを務め、次の会長はLGにバトンをわたすことで合意した。

 総会では会員各社が協会を中心に液晶(LCD)とプラズマ(PDP)、有機発光ダイオード(OLED)など主なディスプレイ産業分野で協力体制を築き、国産化の割合が低い材料の共同研究開発、知的財産権の共有、韓国企業製品の相互購入、下請け会社の共同活用などを推進することにした。

 韓国ディスプレイ産業は2004年に日本を追い越して、06年にはLCD36.3%、PDP52.7%、OLED39.9%のシェアを獲得。ディスプレイ分野で世界シェア1位の座を維持しているが、日本と台湾、中国などの追撃により危機を感じている。07年1─3月も三星電子のLCD部門だけが小幅な黒字を記録しただけで、LG電子のディスプレイ部門、LGフィリップスLCD、三星SDIは赤字を避けられなかった。

 韓国が恐れているのは技術競争力を持った日本と生産能力を持つ台湾が戦略的提携を通じて韓国に対抗している点だ。実際、LCD部門では台湾と韓国のシェアは0.1%の差にすぎず、売り上げ額でなく出荷量を基準にすると、すでに韓国が台湾に遅れている。

 韓国企業同士で消耗戦をしていては共倒れになってしまうことから、業界大手の三星とLGは、迅速な技術戦略の共有などを理由にすべての部品下請け会社を系列化させた。例えば三星と取引する会社はLGとは取り引きできないよう事実上遮断され、そのため新技術開発の重複投資、装備材料業界の縮小などの問題点が指摘されてきた。

 韓国のディスプレイ業界は三星とLGが手をつなぐことで過当競争による無駄を削減、競争力を高められるのではないかとみている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)