【ソウル発】放送業界と通信業界の主導権争いにより5年以上足踏み状態のIPTVの商用化に向け、放送通信特別委員会所属の与野党議員31人は、IP TV事業免許を全国圏域で許容する内容の「デジタルメディアサービス法」を6月末に発議した。

 この法案は全国免許制、1社による占有率で加入世帯の3分の1以上の獲得を禁止しているほか、送信事業者は許可制、コンテンツ事業者は登録制といった2分類体制、大手企業の市場参入容認などを骨子としている。デジタルメディアサービス法案は放送と通信の融合推進委員会の多数案を法制化して発議した「広域統合情報通信網など利用放送事業法案」、放送法一部改正案がIPTVを「放送」と規定しているのに対して、IPTVを「デジタルメディアサービス事業」と定義しているのが特徴だ。

 議員らはIPTV事業免許を地域から始めて2012年に全国免許へと拡大する方案と、最初から全国免許を許可する代わりに全国加入者の3分の1以上の市場を占有してはならないと規制する2つの法案について検討してきた。

 通信業界はこれをきっかけに、IP TVサービスを導入できるようになると歓迎しているが、放送業界はIPTVもCATVも同じく有料放送なので地域免許制度にするべきと反発している。IP TV商用化の論点でケーブルTV業界は、現在77圏域に分かれているケーブルTV事業者と同じくIPTVも地域免許制度にしなければならないと主張し、情報通信部やKTといった通信業界は投資活性化を誘導するため全国免許制度にするべきと対立している点だ。

 ケーブルTV協会はこの法案に対して「地上波・ケーブル・衛星放送は一つで法律で縛り、IPTVだけをデジタルマルチメディアサービスとして特別法で管理するのは平等でない」と主張し、「KTの場合、通信業界シェア1位企業であり、その支配力が放送市場にまで影響を及ぼす恐れがあるので、子会社を設立してIPTV事業に参加するべき」とも主張している。

 情報通信部関係者は「他の議員らもIPTV導入に関する特別法を発議しているので、いろいろな案をまとめて膠着状態にあるIPTV商用化を進展させたい」と述べた。しかし、どの法案も著作権保護問題や放送局がIPTVへ番組を公正に提供しなかった場合については言及していないため、実効性のない法案という批判もある。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)