ITコーディネータ協会(会長=関隆明・NECソフト顧問)は、このほど、2007年度の事業計画を公表した。今年度は、ITコーディネータ(ITC)に対する理解度を高める「ブランディング」戦略を新たに始めるほか、ユーザー企業のIT資金を融資する金融機関との連携や、企業内ITCの活動を活性化させる方針だ。制度開始8年目を迎え、「『ITと経営』の橋渡し役としての役割が鮮明になった。しかし、潜在顧客は十分に掘り起こせていないので、これを顕在化させる」(下田邦典・専務理事)と、ITC制度の浸透と活用拡大を狙う。

 「ブランディング」戦略では、活動実態を全体の規模感や実績の数値から把握するほか、これまで以上に積極的に事例・成果を収集し、機関誌やマスコミなどに露出する方針だ。

 将来的には、現在の同協会Webサイトを見直すほか、中堅・中小企業向けに特化した情報収集・分析をする組織を立ち上げることを検討する。そのうえで、ITCの活動成果や人材像、役割像、期待を裏付けるスキルや資質、提供可能なサービスに分類し、ユーザー企業やITCがアクセスしやすい情報発信も検討している。

 現在、同協会の届け出団体はNPOなどが全国に164組織。この組織を中心に事例を収集し、全国版のデータベースを構築して、全国のITCがナレッジ用資料として活用できるようにする。

 ITCの資格を取得した認定者は6年間の累計で7472人。毎年資格を更新した現存ITCは6413人になっている(2007年3月現在)。このうち、ユーザー企業やITベンダー内の「企業内ITC」は約75%を占めるが、NPOなど届け出組織を立ち上げる「独立系ITC」に比べ、ITC同士でスキルを磨く機会に乏しい。

 このため、昨年度は「テーマ研究会」を設置して継続学習の機会を提供した。今年度は同研究会を「企業内ITC」の専門家コミッティとして機能強化する。また、ITC資格取得を目指さないまでも、ITC的な活動を必要とするユーザー企業に対し、ITCの活動プロセスを解説した教材を利用し浸透させる。

 昨年度は、ITCのコンサルティングビジネスを確立するため、金融機関との連携を拡大してきた。今回は、連携を推進するため、人材やノウハウを提供し、「地域ビジネスモデル」を確立するほか、「金融連携ワークショップ」を開催して中小企業金融公庫や銀行、信用金庫など地域金融機関との連携を具体的に模索する。