ソフト開発のガイア(中道徹社長)はSaaS(ソフトウェアのサービス化)対応のERP(統合基幹業務システム)の販売を本格化させる。SaaS型CRM(顧客情報管理システム)最大手のセールスフォース・ドットコムと連携することで拡販に弾みをつける。会計を中心とする本格的なSaaS型ERPを投入するのは国内で初めてという。

 同社はERPに特化したベンチャー企業で、2006年春にオリジナルのERPを製品化した。当初は従来通りの売り切り型のシステムだったが、今年5月、経費精算など一部モジュールを先行してSaaS化。セールスフォースのアプリケーション連携プラットフォーム「Apex(エイペックス)」に対応させた。

 設計段階からSaaS型を念頭に置いて開発していたことから、7月には主要モジュールのSaaS対応をスタートし、年内には完成させる予定だ。

 売り切り型では東芝情報機器など有力SIerと販売パートナー契約を結んでおり、順調に販売数を伸ばしている。SaaS型では「特性の違いから従来型とは売り方を変える必要がある」(中道社長)と分析。セールスフォースなど急成長する大手ベンダーとの連携に力を入れることで、SaaSの特性に合わせた新規販売チャネルの開拓を急ぐことにしている。

 SaaSを提供する基盤となるデータセンターは野村総合研究所(NRI)のオープンソースソフト(OSS)を活用したプラットフォーム「OpenStandia(オープンスタンディア)」を活用した。OSSの採用でコストを下げるとともに安定したサービス品質を確保した。

 製品面では、連結会計や経営分析を行うビジネスインテリジェンス(BI)機能を充実させており、中堅から大手上場企業まで幅広い顧客層を狙う。企業活動にかかわる情報は最終的に会計に集まってくるのに加えて、会計現場では、「市販の表計算ソフトで手作業による分析が今でも頻繁に行われている」(田畑聡・カスタマーサポート部マネージャ)ことからBIが会計の重要な差別化要素になると判断した。また、「会計を軸とするERPでSaaSに本格対応するのは当社が初めて」と胸を張る。

 アーキテクチャは法政大学の大森健児・情報科学部教授の協力を得て、会計業務用の標準XMLデータ形式「XBRL」や、SaaS対応の必須条件であるXMLウェブサービスを全面的に採り入れた。

 「SaaSはソフトウェアの提供方法の本命になる」(大森教授)と予測し、いち早く製品開発に反映した。

 同社では、売り切り型、SaaS型の両方の販売方法を合わせて、今後3年間で400-500社への納入を見込み、年商40-50億円の事業規模に育てていく。製品面、技術面ともに最新のものを採り入れ、既存ERPの置き換えを進めることでシェア拡大を目指す。