【ソウル発】韓国の産業資源部(日本の経済産業省に該当)の発表によると、8月の輸出は好調が続き、19か月連続2ケタの増加率をみせた。8月の輸出は312億3000万ドルで前年同月より14.4%増えた。輸入は9.8%増の296億9000万ドルだった。輸出が好調な主な原因は自動車、一般機械、鉄鋼など主力輸出品目が順調だったためだ。

 8月のIT輸出は13.6%増の111億4000万ドル、2006年11月の108億8000万ドルを9か月ぶりに更新し、最高記録を塗り替えた。8月は休暇が多いオフシーズンであることを勘案すれば、IT輸出が上半期の乱調傾向から下半期に回復傾向へと転じたのは間違いないと情報通信部は解釈している。

 IT品目のなかでは、特に液晶を中心とするディスプレイの輸出増が注目されている。パネル輸出は価格下落傾向が落ち着いているなか、下半期特需を狙ったTV用パネルの注文が増加、ワイドモニター用パネルが成長を遂げていることから前年比31.5%増の20億7000万ドルを記録、初めて20億ドルを突破した。パネルの輸出好調とともにモニターの輸出も前年比26.1%増の6億6000万ドルを記録。07年4月以降、増加傾向にある。

 市場調査機関のディスプレーサーチ社によると、三星電子は4-6月期におけるワイド液晶の売り上げ実績が約38億ドルで、四半期ベースで8期連続1位を占めた。 LGフィリップスLCDは4-6月期にワイド液晶を1984万台出荷、4期続けて1位となった。これで三星電子は世界市場で8期連続の売上高1位を、LGフィリップスLCDは4期連続で出荷量1位を記録したことになる。

 最強の技術力を備えた韓国のディスプレイ産業だが、液晶部門は04年以後大規模設備投資に伴う供給過剰により、収益構造は悪化している。プラズマディスプレイパネル部門も競争による価格下落で赤字を抜け出せずにいる。生産設備の国産化率は50%、部品材料の国産化率は66%といわれているが、中核の設備や材料の海外依存度を勘案すると国産化率は30%を若干越える程度ではないだろうかといわれている。

 カラーフィルター材料、ガラス基盤など中核となる材料は日本、米国、ドイツが独占している状態で、ディスプレイ最強国として成長を続けるためにはパネルと設備と材料のすべてが循環する産業の輪を作らなければならない。韓国産業資源部は設備、材料の海外依存度はディスプレイ産業の根本的な競争力を阻害する要因であると認めている。
 趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)