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シーアイエス PLMで全国展開へ システム基盤を整備

2007/10/08 22:22

週刊BCN 2007年10月08日vol.1206掲載

 大手SIerのJBCCグループで名古屋に本社を置くシーアイエス(佐々木和實社長)は、製造業向けビジネスの全国展開を目指す。プロダクトライフサイクル管理(PLM)の領域で独自に開発するシステム基盤を2008年度(09年3月期)中に整備。JBCCグループが持つ全国の販売網を使って拡販する。これまで他社パッケージ製品の代理販売や個別のシステム開発を中心としてきたため、全国展開しにくかった。独自製品を出すことでビジネス拡大を図る。

 製造業の集積度が高い中部地区をビジネス基盤とし、売上高の約6割を自動車などの製造業関連が占める。製造業に強いSIerである。JBCCグループや他社ISVの生産管理パッケージやCAD/CAMの販売、個別のソフトウェア開発に実績が多い。だが、この領域で独自のシステムの品揃えが少なく、中部エリアから外に出にくい状況にあった。

 すでに厚い顧客基盤を築いている中部地区では、個別のシステム構築をベースとしたビジネスでも十分に通用する。だが、顧客基盤の薄い他の地域へ出るには、「コアとなる自社ソフトウェア商材が欠かせない」(佐々木社長)と判断。近年、需要が高まっているPLM全体をカバーするシステム基盤を独自に開発し、早ければ来年度にも製品化する計画である。

 PLMシステム基盤は、JBCCグループ全体でみても手薄な領域であり、同システムが完成すれば全国の販売網を通じた拡販が可能になる。まずは大きな需要が見込める東京・大阪への展開を想定しており、PLMに対する引き合いが強い年商50億円以上の中堅大手を狙う。また、これまで個別に開発してきたPLMシステムに、同基盤を適用することで開発生産性を向上。粗利率を高める効果も期待できる。

 昨年度の単体売上高は前年度比約4%増の約55億円。営業利益率は前年度並みの2.5%だった。粗利が限られているハードウェアや他社パッケージソフトのライセンス販売などの「製品販売」は、数年前まで売上高全体の4割余りを占めていた。システム構築などより付加価値の大きいビジネスの比重を高めたことから、今年度の製品販売の売り上げ比率は約35%に低下する見込み。

 今後はPLMシステム基盤など独自のビジネスをさらに拡大させていくことで、2年後の09年度までに営業利益率5%への拡大を目指す。
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