NECは10月19日、次世代の携帯電話システムや無線LANシステムなど、さまざまな高速無線通信規格にソフトウェアの書き換えのみで対応するプログラマブルプロセッサを開発したと発表した。

 無線アクセス装置の要となるベースバンド処理を、専用LSIを使わずに低コストで実現するもの。次世代の無線通信規格に共通で採用されているMIMO-OFDM通信方式で頻繁に用いられるFFT/DFT処理と行列演算処理を高速に実行でき、ソフトウェアの書き換えによってさまざまなベースバンド処理を実行できるアーキテクチャを採用。多くの演算器を2次元アレイ状に並べたアレイ型プロセッサにマルチスレッド機構を導入することで、無線信号処理時の演算器の稼働率を80%以上に向上させた。

 このほか、アレイ状の演算器のうち、隣接したもの同士のみを接続するシストリックアレイアーキテクチャを採用することでチップ内の配線面積を減らし、300MHz以上の動作を実現。配線面積の低減に伴う省電力化も行った。

 このプロセッサを用いることで、次世代無線通信規格に対応した無線アクセス装置を短期間で開発することが可能になり、規格の改定やサービス進化への柔軟な対応、複数の無線規格を切り替えて使用するマルチモード装置への適用も容易になる。例えば、ソフトウェアの変更のみで「3GPP LTE」「WiMAX」の両方に対応できる基地局装置や携帯端末を実現できる。

 また、無線信号処理に適用分野を絞って処理効率を向上させたことで、次世代無線通信規格のベースバンド処理を実行するデバイスを、汎用DSPやFPGAなどの従来のプログラマブルデバイスを用いた場合と比べて約10分の1のコストで実現できる。