無線LANを商品化している米トラピーズネットワークスは、日本市場の開拓に本腰を入れだした。

 このほど来日したジム・ヴォート・プレジデント&CEOは、「これまではOEM提供に力を入れてきたが、今年から自社ブランドでの市場開拓に力を入れており、特に日本市場は重要なので、日本法人の体制を一新した」と語った。

 今年春、日本法人(トラピーズネットワークス)の社長には富士ゼロックスにいた佐藤博氏をスカウト、営業体制の強化を図っている。

 米トラピーズネットワークスの設立は2002年3月で、無線LANの専業メーカー。03年7月から製品出荷を開始、07年10月現在で世界2500社のユーザーに納入している。

 IEEEが策定中の802.11nがまとまれば、「市場は爆発的に拡大する」というのがジム・ヴォートCEOの見解である。

 802.11nは、ドラフト2.0はすでに公表されているが、現在はドラフト3.0の審議に入っており、来年9月の策定を目指している。「当社もIEEEの場にメンバーを出して積極的に協力する一方、当社独自の技術開発にも取り組んでおり、802.11nの規格決定と同時に市場に投入できるよう準備を進めている」として、同社独自の技術については次のような点を上げた。

 「現在の無線LANは54MHzで実効スピードは24MHz程度になるが、次世代無線LANで当社が目指しているのは600MHz、スループットは下がるが400MHzは保証できると思う。現在の12倍以上のスピード、カバーエリアも現在の3-4倍に当たる100フィートを目指している。当社は“インテリジェント・スイッチング”と名付けた革新的技術をベースに、スマートモバイルと呼ぶ独自のアーキテクチャを持っており、これにさらに磨きをかけて、(1)既存設備をそのまま生かせる、(2)有線電話の音質を無線LANで実現、(3)セキュリティ強度をさらに高める、(4)最高のスーラビリティを最低のコストで実現──などの特徴を持たせる」。

 無線LANに対する関心は日本ではまだ低いが、佐藤博日本法人社長は、「盗聴などセキュリティが心配との誤解がまだ解けきっていないことが大きいが、その誤解を解く努力をしており、徐々に変わってきた。いずれ、有線より無線のほうが安心という認識は日本でも定着するだろう。そこに、次世代無線LANが登場すれば、ハイディフニションTVでも配信できるようになるなど、爆発的な普及期を迎えるはずだ」として、営業体制の強化などに取り組んでいく意向を示した。