NPO法人「ITジュニア育成交流協会」(A.JITEP)は、昨年12月17日に東京都の世田谷区立北沢小学校で「特別授業」を行った(1月14日号に既報)。第一部では、私(高山)が講師を務め、インターネットやケータイなど情報化社会がもたらす「光と影」について子供たちが理解しやすく解説した。第二部では詫間電波工業高等専門学校の学生がプログラミングした作品を紹介。今号から2回にわたって、明日に向かって伸びていくあすなろたちの「生きた感想」を基に綴った記録をお届けする。(ITジュニア育成交流協会理事長 高山由)

ITの便利さと怖さを知るきっかけに
子供たちが自ら実感できる環境を

 「インターネットを毎日使っている人、手をあげてください」--全員が手をあげる。「ケータイ持っている人は」--こちらは35人中13人が挙手した。ここは、東京都世田谷区立北沢小学校の5年1組の教室である。

 一昨年の12月に引き続き、社会科の臨時講師として「情報モラル」についてIT業界現場の話をしてほしいとの依頼を受け、A.JITEP理事長の私は「情報のはたらきの“光”と“影”」というテーマを掲げて、子供たちの前で話をした。同校の校長によれば、「今や、小学校に入ると子供たちはすぐに自立心をもち、5年生ともなると自己主張を堂々としますよ」という。

 担任の先生は、授業が終了したあと「今日は、いつも不登校の2人も来ました。そして、今までにはなかったことですが、感想文を提出しました」と、嬉しそうに語ってくれた。

 その感想文の一部を紹介しよう。

 「自分はパソコンやケータイを毎日やっています。それで人をきずつけることはだいたい知っていたつもりでしたけど、今日聞いてみて、あんなにかんたんに人をきずつけてしまうとは…と思ってしまいました。(デモで見た)作品はすごい!!と思いました。自分もあんなものをつくりたいです」

 「話をするのも情報。調べるのも情報。聞くのも、見るのも情報。数えきれない情報があり、私たちは情報にささえられていることを学びました。私はCMも情報だとは知りませんでした」

 こんな生徒もいる。

 「今日の授業で、私は、情報は相手の気持ちも考えて『おしえる(しらせる)』ということがわかりました。これからも言葉には気をつけて情報を発信したいです」と、情報化社会をどう生きるかを感じ取ってくれていたようだ。

 教育界のITは、学校運営や先生方の用を足すためのものであることが多い。ITは「大人のツール」だと思っている節があるからだ。小学5年生のみんなと2時間ほどのおつき合いだったが、パソコンやケータイなどのITツールは、自立心を十分に身に付けている彼らが自ら使い、役に立てていることを実感することできた。

 環境さえ整えれば、子供たちは自らの意思で知識を吸収したり、技術を身につけたりすることができるようになるはずだ。A.JITEPの理事長として、そんなITツールの活用環境やコンテンツの開発・発展を期待している。

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