リアルコム(谷本肇社長)は、今年度(2008年6月期)の業績が振るわない。中間期の実績は減収で赤字。赤字幅は縮まるものの、通期予想も業績低下の見通しだ。そのため、情報・ナレッジの共有が可能な「エンタープライズコンテンツマネジメント(ECM)」事業に絞り込むことで黒字転換を果たしたいとしている。

 業績不振の理由について、谷本社長は「事業領域を拡大しすぎた」と打ち明ける。主力製品「KnowledgeMaker」を中心にECMを提唱、製品ラインアップを増やしたものの、「人員が分散したことで各事業が手薄になった」と反省する。そのため、「主力となりうる製品やサービスに人員リソースを集約した」としている。

 具体的には、ナレッジマネジメント事業に力を注ぐ。その一環として、米国の専業メーカーであるAskMe社を買収、子会社化する予定だ。AskMe社の事業は、リアルコムのそれと重なる点が多い。買収は「ノウハウを集めて開発能力を強化する」ことを狙いとしている。

 同社はウェブ2.0の企業向けサービスを「エンタープライズ2.0」と銘打って事業拡大を図っている。ユーザーがブログやウィキ、SNSなどを1つのポータルから利用することでビジネス拡大につながる製品・サービスを提供していることに加え、新技術を駆使した他製品導入に向けたコンサルティングサービスも行っている。コンシューマ市場で利用が増えている製品・サービスが企業内個人にも使われるようになるという「ITコンシューマライゼーション」は日本でも徐々に浸透しつつあるものの、新しい技術であることから十分な提案活動が必要となる。しかも、他社に先行しているだけに製品ラインアップの充実ぶりだけでユーザー企業に優位性を訴えることは時期尚早だったようだ。「実際に導入された事例を踏まえて、しっかりとコンサルティングしなければユーザー企業に導入のメリットを伝えることができない」。結局そう判断し、主力製品に絞り込むことを決断した。

 「今年度は赤字になるが、この機会に“ウミ”を出し切る。赤字脱却の対策を打つので、来年度から黒字に転換できる」と自信をみせる。