クライアントソフト基盤開発のアクシスソフト(永井一美社長)は、業務アプリケーション分野への進出を検討する。これまで自社製品の開発ではクライアントソフト基盤の開発に特化してきた。しかし、SaaSなど新しい形態のソフトウェアビジネスが台頭。こうした動きに自ら率先して対応することで新規需要の開拓を目指す。新しく開発する業務アプリケーションは、早ければ今年度(2009年3月期)下期をめどに製品化する計画を立てる。同時に同業他社の業務アプリケーションとの連携強化も進めることでビジネスを拡大させる考えだ。

 アクシスソフトは業務用に特化したブラウザ「Biz/Browser(ビズ・ブラウザ)」を開発。すでに630社あまりのユーザー企業に納入実績がある国産ビジネスブラウザベンダーである。これまで業務アプリケーションそのものには本格的な進出はしておらず、クライアントソフト基盤であるBiz/Browserを主軸にしてきた。だが、SaaSやWeb2.0などソフトウェアの新しい利用形態が拡大。こうした新形態に対応した「業務アプリケーションを開発する」(永井社長)ことで需要を喚起する。

 業務アプリケーションは、Biz/Browserと相乗効果が見込める領域や、Biz/Browserを適用することが多い営業支援、情報共有など情報系システムなどを想定する。開発した業務アプリケーションをSaaS方式で提供することも検討する。新しいソフトウェアビジネスのあり方を具体的に顧客や販売パートナーに示していくことで、主力商材であるBiz/Browserの拡販につなげる。

 同時に他社の業務アプリケーションとの連携も強化する。国産ソフト開発ベンダーから組織するMIJS(Made In Japan Software)コンソーシアムへの参加を予定しており、Biz/Browserと連携する他社の業務アプリケーションの種類を増やす。MIJSのメンバーが開発する業務アプリケーションとの相互運用性の向上を視野に入れる。顧客企業や販売パートナーにとってみれば、Biz/Browserに対応した既存のアプリケーションを活用する機会が増えるメリットがある。

 アクシスソフトは過去に医療業界向けのビジネスが不調に終わり、一時的に業績が伸び悩んだ経緯がある。ここ数年は本来のBiz/Browserを中心とするクライアントソフト基盤の領域に経営資源を集中し、昨年度(08年3月期)まで2期連続で黒字決算にこぎつけた。モバイル機器への対応も業界に先駆けて取り組むなどBiz/Browserの適用範囲を広げてきた。今後は、SaaS方式による業務アプリケーションを取り込んでいくなどしてBiz/Browserをベースとしたビジネス拡大に結びつける。