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日本ビクターとケンウッド、10月1日付けで共同持株会社設立、経営統合へ
2008/05/13 21:00
今回の経営統合は、共同持株会社がビクターおよびケンウッドの株式を100%保有する形態で行い、共同持株会社を東京証券取引所市場第一部に新規上場するための申請手続きを進める。これにともない、両社とも株式の上場を廃止し、それぞれの株式に対して所定の株式移転比率で、東京証券取引所市場第一部に新規上場する共同持株会社の株式を交付する予定。
経営統合による効果としては、カーエレクトロニクス事業の売上拡大と新事業の売上創出を合わせて、3年後に300億円の売り上げを見込む。またコスト面では、共同開発による開発負担の軽減、部材の共同調達による調達コストの低減、生産の相互委託や生産地の最適化および物流網の共有化を通じた外注加工費や物流費の軽減、知的財産の相互活用による特許料負担の軽減などにより、3年後に100億円の利益増加を見込む。
新たなグループ事業戦略では、「カーエレクトロニクス」「ホーム&モバイルエレクトロニクス」「業務用システム」「エンタテインメント」の4つの事業セグメントを収益の柱に据え、08年3月期の両社売上高合計で、「カーエレクトロニクス」で約1515億円(構成比約18%)、「ホーム&モバイルエレクトロニクス」で約3537億円(構成比約43%)、「業務用システム」で約1146億円(構成比約14%)、「エンタテインメント」で約726億円(構成比約9%)を目指す。
さらに、第5の事業セグメントを育成する計画で、両社の財産である映像、音響、無線通信技術を融合しながら新たな技術・商品開発に取り組むとともに、両社のマーケティング力、商品企画・開発力を生かしつつ、新事業の開発に注力。これらにより、共同持株会社では、11年3月期に売上高8300億円、営業利益390億円、営業利益率4.7%を目指す。
近年のコンシューマーエレクトロニクス業界は、韓国・台湾・中国などのメーカーが台頭し、世界市場でシェア・価格競争が激化している。さらに、AV業界ではIT産業からの参入なども拡大していることから、両社は、07年7月に経営統合を目標とする資本業務提携契約を締結。第2ステップとして経営統合に向けた検討・準備を進めてきたが、今回、両社の経営リソース統合によるシナジー効果と、新たな成長が展望できるようになったため、経営統合を実施することにした。
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