【オーランド発・佐相彰彦】米IBMは5月18-22日(現地時間)の5日間、運用管理ソフトウェア「Tivoli」関連の年次カンファレンス「IBM Pulse 2008」をフロリダ州・オーランドで開催した。

 IBMの買収後、Tivoli関連カンファレンスは陽の目を見なくなったが、EAM(エンタープライズ・アセット・マネジメント)ソフト「Maximo」や、サービスプロバイダ向けソフト「Netcool」なども集結することで復活。名称も変更し、統合的なサービスマネジメントの新技術や新製品を披露するという初の試みで実施することになった。このため4000人以上が参加し、サービスマネジメント関連の各製品カンファレンスでは過去最大のスケールを達成。18日の基調講演は、同社が掲げるサービスマネジメントの方向性を聴こうと、会場内が販売パートナーやユーザー企業でごった返した。


 基調講演の挨拶には、Tivoliの総責任者であるソフトウェアグループのアル・ゾラー・ゼネラル・マネージャーが登場した。「新しいエキサイティングな技術を披露したい」と、同社のサービスマネジメントが革新的な領域まで達していることを強調。さらに、サービスマネジメント管理について、サーバーやストレージなどIT関連システムだけでなく、ファシリティや通信インフラも網羅する幅広いコンセプトを打ち出した。続いて登壇したソフトウェアグループのシニア・バイスプレジデントでグループエグゼクティブを兼務するスティーブ・ミルズ氏は、「インフラ管理は、何もITに限ったことではない。しかし、ファシリティや通信インフラをも管理するとなれば、莫大なコストがかかる。そういった点では、当社のソフトウェアが最適」と、これまでの管理ビジネスを根底から覆す発言で、IBM製品の優位性に自信をみせた。

 ミルズ氏に代わり、冒頭で挨拶したゾラー・ゼネラル・マネージャーが再び顔を出し、「(設備を含め)企業が活用する製品すべての管理が必要となる」とアピール。加えて、「グリッド・オペレーションが可能な“インテリジェンス・スマート・グリッド”の時代が到来した」と、将来的には自動的に管理することが当たり前の時代になると言い切った。同社は、すでにTivoliで管理の自動化が可能な製品を市場投入しており、その時代がいずれ訪れることを示唆している。また、こうした幅広い範囲をカバーした統合管理が、現段階でも求められている省電力を意識した“グリーンIT”を促すことにもつながるとしている。

 基調講演のゲストには、世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランス7連覇という偉業を、癌を克服して成し遂げたランス・アームストロング氏が登場。「健康ほど大切なものはない」とITに全く関係ない内容を話すのかと耳を傾ける来場者が多いなか、「私が、これまでとは異なった人生を歩んでいるように、“チェンジ”が必要なのではないか」と、IBMのサービスマネジメントに共感するような発言も。同氏は、癌を完治した後、克服した幸せを訴えるため、多くの講演を実施しているほか、ナイキとの共同プロモーションとして黄色いリストバンドを発売。病気で苦しむ患者を元気づけるような取り組みを積極的に行っている。アームストロング氏のスピーチ中に、聴衆の1人が体調を崩して救急車を呼ぶというハプニングが起こったが、基調講演は無事に終了した。