ニューシステムテクノロジー(NST、野田信昭代表取締役)とアクアシステムズ(赤間保社長)は協業してデータベース(DB)向けセキュリティソリューション「XYZero」を共同開発した。両社はDBセキュリティ製品を協業前からそれぞれ販売しており、顧客への提案の場面では一部で競合になっていたとみられるが、競争力あるDBセキュリティ対策の提案には両社がそれぞれ持っていた製品を組み合わせるメリットもあると判断した。ライバル関係にあったDBセキュリティベンダーが互いに手を組み、共同で市場を切り拓く。

 「XYZero」は、DBのアクセスログを収集・保存し、情報漏えいなどの問題があった場合にどんな操作があったかを把握することが可能な、DBの操作情報管理ソリューション。NSTのマルチベンダー対応DBセキュリティツール「Chakra」でネットワーク経由のログを取り、アクアシステムズの「Audit MASTER」でローカルアクセスのログを取得する。「100%のログ収集が可能」(両社の担当者)という。導入にはエージェントソフトを入れる必要がなく、設定も容易にした。オラクルのBIツール「Oracle BI SE One」と組み合わせれば、取得したログの分析・レポート出力が低コストで実現可能という。

 両社は従来、DBセキュリティを個別に販売してきた。NSTは、2004年に発売した「Chakra」の日本総販売代理店。「Chakra」はDBセキュリティの準大手製品として認知されており、大塚商会などを通じて約150社に納入している。一方、アクアシステムズは、オラクル関連のツールやソリューション開発に特化したITベンダーで、04年末にオラクル製DBの監査ツール「Audit MASTER」を発売した。富士通系販売パートナーを中心に販売し、約70社に納入した実績がある。

 今回の協業は、両社の強みを生かした競争力のあるソリューションを開発・販売することが互いにメリットがあると判断したため。アクアの製品は、オラクル製DBにしか対応していなかったが、「XYZero」では主要DBをサポートできる。一方、NSTは、ローカルアクセスログの取得が弱かった部分をカバーできるようになった。

 また、協業の背景には「DBセキュリティ市場を活性化する狙いもある」(アクアシステムズの赤間社長)。重要な経営情報や機密データの格納先であるDBのセキュリティ対策はまだ進んでいないのが現状。「1社でマーケットを開拓するよりも2社で力を合わせたほうが市場を切り拓ける」(赤間社長)と考えたこともある。NSTの越川ひろみ・営業部マネージャーも「DBへのセキュリティ対策が軽視されている現状を変える必要がある」と説明している。

 両社は開発だけでなく、販売面でも協業する。パートナーやユーザー向けのセミナーを共同展開。2か月に1度の頻度で開催する予定で、7月上旬に第1回目を開いた。価格は最小構成で500万円程度。発売後1年間で200システムの販売を見込む。過去の実績からみると、両社ともに挑戦的な計画を立てており、協業効果に期待している。

対応機器と連携、システム獲得へ

 ラベル印刷用プリンタや自動認識システム開発で大手のサトー(西田浩一社長兼CEO)は、自社製機器やシールなどサプライを含め「環境」に配慮した取り組みを強化している。最近では、台紙のないシールで使用後にゴミが出ない「ノンセパシール」や、これに対応したプリンタの販売を積極化。直販と既存のシステムディーラーや物流総合商社などによるチャネル販売の両面で、「環境」を打ち出すことで関連需要の獲得を目指す。

 ノンセパシールは台紙のないシールで、モノに貼るごとにゴミが出る台紙付きの通常タイプと異なる。台紙付きシールに比べ、同じ容量で約1.5倍の長さを巻けシール交換の手間が省ける。流通や物流などの業界ではノンセパシールを使うことで、輸送コストや保管場所を削減できる。

 同社では、ノンセパシールに対応したラベルプリンタも複数機種揃えている。例えば、携帯型のモービルプリンタ「プチラパン」は、最速103mm/秒の高速印字・発行ができ、小売店のプライス表示や運輸会社のバーコード印刷などに人気という。また、宅配便配達の際に、台紙を配達者が回収する手間が省ける点も長所だ。「『ISO14001』など環境ISOを取得している事業所では、生産工程などをバーコードシールを使い管理する。このような用途で、当社のノンセパシールや対応機器が導入されるケースが増えた」(葉山誠・プリンタ推進部プリンタ推進グループ長)と、「環境」を売りにした提案が「環境」の重要性が増すほどに効果を出していると指摘する。

 一方で、バーコードなどラベル印刷プリンタは、POP印刷を自動認識するとデータが蓄積される。こうした蓄積データを利用して基幹システムなどと連携させた提案も増加中だ。サトーはこの用途のため、大手メーカー系のシステムディーラーのほか、スキャナやマテリアル・ハンドリング装置などのメーカーと連携し、新製品や新規市場開拓へ向けた取り組みを強化している。

 同社の連結売上高は2007年度(08年3月期)が前年度比6.4%増の約877億円で、9期連続増収で過去最高売上高を記録。ただ、この先は世界的な原油高の影響を受け、サプライ原紙価格の高騰などで収益増加率が鈍化することが予想される。今年度(09年3月期)は、前年度比4.8%増にとどまる見込みだ。しかし、自動認識機器を他のシステムと連携した「食品トレーサビリティ(履歴追跡)などの管理用途向けとして提案する」(葉山グループ長)ことで、新規の販路拡大ができるとみている。