キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS、武井尭社長)は、EDI(電子データ交換)事業を強化する。基幹業務システムとの連携や全国に展開する保守サポート拠点を活用することでシェア拡大を目指す。EDIの大口顧客層である小売・流通業界は、向こう1-2年でEDIシステムの更新時期に差しかかる見通し。このタイミングで拡販に力を入れることで、最終的にはシェア5割を目指す。

 小売・流通業界では、EDIシステムの大幅な刷新が進む。1980年代から使われている古い通信手順のJCA方式から、インターネットやXMLなどオープン技術を活用した流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)への置き換えが進む。経済産業省や小売・流通の主要業界団体が中心となって流通BMSの規格制定や普及促進に努めてきたが、今年度で経産省の補助事業が終了。来年度から民間へ完全に移行する。

 同社では、今年度下期から民間移行する来年度にかけて、「大手小売業が流通BMSの実装を本格化させる」(宮田孝好・EDIソリューション部長)と、移行時期に差し掛かるとみる。しかし、オープンな規格であるために競合他社との差別化が難しいのも事実。価格競争に巻き込まれるケースもあり、流通BMS単体では収益を上げにくい。そこで打ち出すのが、基幹業務システムや全国拠点網の活用だ。

 キヤノンITSは、EDI事業に強い旧アルゴ21と基幹業務システムに強い旧キヤノンシステムソリューションズ(キヤノンSOL)が経営統合して今年4月に発足。アルゴ21はEDIには強くても、大手企業向けの基幹業務システムは、「他の大手SIerに比べて弱い」(湯浅利由起・EDIソリューション部サポート課担当課長)側面があった。旧キヤノンSOLが強みとする基幹業務システムと組み合わせることでEDI事業の付加価値を高める。

 さらに、親会社のキヤノンマーケティングジャパングループが全国に展開する保守拠点を生かし、中堅・中小の事業者へのサポート力を強化する。小売・流通大手の基幹業務システムから全国の中小卸のサポートまで、「全方位で対応する」(宮田部長)ことで他社との差別化に力を入れる。

 旧アルゴ21では、従来のJCA手順のEDIソフトを累計およそ6万本販売した実績を持つ。小売・流通向けEDIベンダーシェアでは2-3番手のポジションだったが、今回の流通BMSでは、経営統合による相乗効果を最大限に生かすことで「トップシェアを目指す」と、攻めの姿勢で臨む。