米マイクロソフトは7月上旬、「Microsoft Online Services」の価格やパートナーとの協業モデルを発表した。ソフトの機能をネットワークを通じて提供するサービスで、2008年3月にビル・ゲイツ氏自らが概要を発表。今回、具体的な内容が明らかになった格好だ。

 日本市場でのメニューや価格、パートナーとの協業モデルは現時点では全くの白紙だが、「今年度(09年6月期)中に発表する計画」(日本法人広報)で準備に入った。利用料金が安く容易にサービスを利用できることから、中小企業市場の需要を喚起できる有力商材との見方がある。ただ、その一方で、マイクロソフトが自らシステムを保有してサービス提供するだけに、同社のソフトを活用して自社システムで運用、サービス提供していたホスティングパートナーのビジネスを脅かす存在になる可能性もある。

 「Microsoft Online Services」は、メールや情報共有ソフトなどの機能をネットワークを通じてユーザー企業に販売するサービス。情報システムはマイクロソフトが保有する。今回、米本社が明らかにした内容のなかでパートナーとの協業モデルでは、パートナーが「Microsoft Online Services」を販売した際の利益還元率が示された。初年度契約額の12%、ユーザー企業の契約期間中はそのサービス利用料金の6%をパートナーに還元する。

 このサービスが始まることで、影響を受けるのがマイクロソフトのソフトを活用してサービス提供するホスティングサービスベンダーだ。ホスティング業者は、マイクロソフトからライセンスを購入し自社システムでメールや情報共有システムを運用。サービスとしてユーザー企業に提供している。「Microsoft Online Services」と競合になる可能性が高い。同サービスの1メニューでは、1か月の利用料金を3ドル(米国の場合)に設定しており、一般的なホスティングサービスベンダーの提供価格よりも安価だ。「Microsoft Online Services」にない付加価値を提案できなければ、ユーザー企業には受け入れられない可能性が高い。

 米国での発表の1年後に日本での具体的な展開を発表するスケジュールなのは、こうしたホスティングパートナーとの調整を進めるための時間が必要という判断が働いたためとも考えられる。