SIerの日本オフィス・システム(NOS、尾崎嵩会長)は、生産管理システムに本格参入する意向を示した。オリジナルのERPサービスの1メニューとして販売するもので、2009年7月以降、開発に着手することを検討している。これまで財務会計、販売管理などを開発してきたが、生産管理システムの開発意向を明確化するのは今回が初めて。

 生産管理システムはオンデマンド型のERPサービス「FineCrew NX」シリーズのラインアップを拡充するもので、まずはNOSの顧客ベースおよそ3000社をメインターゲットとして設計する。同シリーズは、ERPを定額の月額料金制でサービスとして提供する形をとり、従来のパッケージ型ソフトで初期導入時に必要となるライセンス費用は発生しないのが特徴。利用の程度に応じて料金を支払うオンデマンド方式がユーザーに評価され、05年の発売から昨年度(07年12月期)まで同ERPサービスの売り上げは毎年倍増で推移。今年度は前年度比1.5倍余りの2億5000万円近くまで達する見通しだ。

 財務会計と販売管理システムを先行して投入し、昨年は人事システムのサービスを開始。今年9月にはワークフローシステムのサービスをスタートさせる。製造業の顧客の割合も少なくなく、「生産管理システムもサービスメニューに加えて欲しいというユーザーの声が高まってきた」(尾崎会長)ことを受けて、開発する意向を固めた。同ERPサービスに付随して獲得した周辺のシステム構築案件は昨年度2億円余りで、既存のSIビジネスとの相乗効果も高い。

 今年度中間期(08年1-6月期)の会社全体の売上高は、前年同期比15%減の62億円と苦戦。前年同期の大型案件の反動減に加えて、景気不透明感の強まりで案件の下期への延期や投資規模の縮小がみられた。競争激化も懸念されるが、オンデマンド型サービスを拡充するなどして業績拡大を目指す。

 同ERPサービスでは、開発手法そのものを抜本的に見直した。月額定額の料金制度の特性を生かし、ユーザーの要望を随時サービスに反映する。従来のパッケージソフトのように“次のバージョンアップ”までユーザーを待たせることがない。競争が激しいネット系のソフト・サービスでは、ユーザーの要望を聞いて改善し、リアルタイムで完成度を高めていく手法が主流。SI業界でもこうした手法が広がりつつある。顧客の要望を反映してソフトをつくるため、販売予測も立てやすい。“こんな商品ができたから売る”というようなプロダクト本位とは逆の発想だ。「真の顧客主義を貫く」ことで勝ち残りを図る。