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ジャストシステム 日本語入力ソフトの定額サービス好調 新規中心に1年で3万ユーザー目指す
2008/10/27 21:10
週刊BCN 2008年10月27日vol.1257掲載
ATOKは変換エンジンと変換辞書をアップデートしたうえで毎年発売、今年25周年を迎えた。今年2月に発売した「ATOK 2008 for Windows」は市場の評価も高く、クチコミで導入が進んだという。また、PCだけでなく、携帯、ゲーム機などにも提供していて、売り上げは右肩上がりだ。だが、「実際はもっと大きく導入実績が伸びていてもおかしくないと考えていた。調査を行い、競合他社のような価格戦略や、ソフトのサービス利用も増えていることに着眼した」(佐藤洋之 アライアンスビジネス部 ビジネス開発グループ ATOKビジネス統括 ビジネスオーナー)という。
これまでのATOKは通常版パッケージで8000円と導入障壁が高かったが、「スムーズにATOKを導入でき、やめたい時にやめられるよう、月額300円に抑えた定額サービスをリリースすることで、新規顧客の獲得を狙った」(川島亜美・アライアンスビジネス部 ビジネス開発グループ ビジネスプランナー)という。ATOKは既存顧客が多く、また既存顧客のバージョンアップの頻度も数年間以上と間隔が長かったが、サービス提供により、常に最新のバージョンを提供することも可能になった。
提供しているATOK定額制サービスではダウンロードのほか、月払いの手間を省く「ATOK for Windows スターターパック 1Year版」(3600円)も店頭とダウンロードで販売している。9月2日からまずは30日無料試用版として同社のオンラインショッピングサイト「ジャストマイショップ」を通じて提供したところ、予想以上のユーザーが集まったという。「既存のパッケージユーザーは年齢層として30代が3割、40代が3割程度だった。だが、試用版のユーザーがある程度集まった段階で分析を行ったところ、新規ユーザーが7割強、年齢層で20-30代が多いことが分かり、価格障壁を狙い通りに取り除くことができた」(川島氏)と効果を語る。
同社は09年8月末までに、定額制サービスと「スターターパック」のダウンロード版、パッケージ版もあわせて、3万ユーザーの獲得を目指す。今のところオンラインでの決済方法がクレジットだけであることから、今後は決済サービス事業者などと協業し、ユーザーのニーズに合った決済サービス拡充を目指す。
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