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大塚商会 バックアップ需要の開拓へ SMB向けパッケージを提供

2008/12/01 21:13

週刊BCN 2008年12月01日vol.1262掲載

 大塚商会(大塚裕司社長)は、バックアップ関連の製品・サービスについてSMB(中堅・中小企業)需要の掘り起こしに乗り出した。このほど製品・サービスを「TWIN NAS 1TBパック」の名称でパッケージ化。価格を120万円に設定して拡販を図っていく方針だ。発売後、1年間で300セットの販売を見込んでいる。

 「TWIN NAS 1TBパック」とは、障害発生時にサーバーを切り替えることで大容量データでも復旧できるように、ハードやソフト、サービスなどをパッケージ化したもの。アイ・オー・データ機器との協業で製品化した。

 ハードウェアについては、本番機と予備機として大容量ファイルサーバー2台を用意。この2台で、1日1回のペースでデータ複製を実施しており、1台のファイルサーバーに障害が発生した際にも簡単な操作で2台目のファイルサーバーに運用を切り替えられる。各ファイルサーバーには、2台のハードディスクを搭載しており、片方のハードディスクにトラブルが生じても、もう一方のハードディスクで確実にデータ復旧ができる。アイ・オー・データ機器が今回のパッケージ専用モデルとして「LAN DISK HDLM─G1.0WIN」を開発した。ソフトウェアについては、マイクロソフトのストレージサーバーソフト「Windows Storage Server2003 R2 Workgroup Edition」がプリインストールされており、既存のWindowsネットワークへの導入を容易としている。最大の特徴は、バックアップソフトとして「Sync with Backup for BFS」をアイ・オー・データ機器と共同開発し、大容量データを業務時間外で複製できるようにしていることだ。導入サービスに関しては、大塚商会の技術者が機器の設置やソフトウェアの設定などを行うほか、保守サービスの「たよれーる」で専任の技術者がいないSMBでもファイルサーバー運用が行えるようにしている。

 同社がSMB向けに対してバックアップ関連の製品・サービス提供を開始したのは、「大企業に限らず、SMBでもデータ量の増大が顕著になってきている」(中本明彦・テクニカルプロモーション部サーバ・シンクライアントプロモーショングループ課長)ためだ。データが増えれば、障害が起きた際にはデータ復旧に時間がかかり、長時間にわたって業務が止まってしまう危険性がある。さらに、SMBはコストや要員などの面からデータバックアップシステムを独自で構築することが難しい事情がある。そんなことから、システム構築とサポートを含めたビジネスに活路があると判断したわけだ。

 当面は大塚商会のSI事業を中心に直接ユーザー企業の掘り起こしを進めていくが、「需要がさらに増えると判断した段階で今回のパッケージを販売パートナー経由で販売する」ことも検討している。現状のパッケージでは、同社のサポートなども含めている関係で、同事業でディストリビューションに着手する際には販売代理店が売りやすいモデルに改善する方針だ。
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