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共立コンピューターサービス SaaS型アプリ拡販へ NEC-NETで共同開発

2008/12/08 21:13

週刊BCN 2008年12月08日vol.1263掲載

 大垣共立銀行グループの共立コンピューターサービス(KCS、白木正克社長)は、SaaS型による業務アプリケーションサービスの販売を強化する。営業支援やワークフロー、顧客管理、グループウェア機能などを組み合わせたサービスで、NECのビジネスパートナーからなるNEC情報サービス事業グループ(NEC-NETグループ)の有志メンバーで共同開発した。KCSでは「Office-PRISM(オフィス-プリズム)」の名称で販売する。

 KCSは、生産販売統合パッケージの「NK-PRISM」やウェブ対応の販売管理システム「Web販売-PRISM」などのオリジナル業務パッケージソフトの開発に早くから力を入れてきた。クライアント/サーバー(C/S)型やウェブ対応の業務アプリケーションの開発・販売には実績豊富だが、本格的なオンデマンド型、SaaS型は新しい取り組みとなる。

 「Office-PRISM」の開発に当たっては、NEC-NETグループのBCC(福岡市)、石川コンピュータ・センター(ICC、金沢市)や岡山情報処理センター(OEC、岡山市)などと共同開発。有志メンバーの得意分野を生かし、月額定額で利用できるSaaS型アプリケーションを本格的に立ち上げる。

 KCSでは、営業支援などフロントエンド系の情報を、自社の販売・生産管理など基幹業務系のPRISMシリーズと連携させることで、付加価値を高める。今は外部のデータセンターをベースにOffice-PRISMサービスを提供するが、需要が高まってきたら自社独自にSaaS型アプリケーションのサービス拡充も検討する。データセンターの新しい基盤技術としてサーバー仮想化ソフトの「VMware」やマイクロソフトの「Hyper-V」の技術検証も進める。

 地域市場でもソフトウェアのサービス化に対する需要は着実に高まっている。岐阜県を中心とする中部地区に商圏を持つKCSでも、「次に何が来るのかを予測し、先手を打つ」(野村龍一郎常務)と、新しいアーキテクチャーへの対応を急ぐ。

 KCSの昨年度(2008年3月期)の売上高は約35億円。うち民需・公共が約6割、親会社の大垣共立銀行向けのビジネスが約4割を占める。民需・公共分野は過去5年で年商を3億円ほど伸ばすなど、グループ外に向けたビジネスの拡大に努める。民需・公共担当の約100人の社員のうち1割以上がITコーディネータ(ITC)の有資格者であるなど上流の経営コンサルティングからシステム構築までトータルでカバーする。今回のOffice-PRISMは民需を主なターゲットとし、同分野のビジネス拡大につなげる。
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