アルプスシステムインテグレーション(ALSI、麻地男社長)は商流の開拓により、フィルタリングソフトの拡販を強化する。企業向けでは業務効率化、コンプライアンスなどを切り口として需要を喚起する。消費者向け分野では、青少年ネット規制法が4月から施行されることから、ISPや携帯キャリアなどで需要が高まると見込んでいる。

 ALSIは2006年12月から、ソニーと協業して同社のITソリューションサービス「bit-drive(ビットドライブ)」で、ウイルス対策、スパム対策などとともに同社のフィルタリングソフト「InterSafe」を「セキュリティパックサービス」として提供してきた。これは、今年2月から、「bit-drive」で仮想化技術を利用した中堅・中小企業向けの新しいクラウドサービス「マネージドイントラネット」にも採用された。また今月、ソフトバンクBBの中小企業向けSaaS/ASPサービスのブランド「TEKI-PAKI(テキパキ)」で、同社のSaaS/ASP型のフィルタリングソフト「InterSafe CATS」の提供も開始した。「TEKI-PAKI」のSaaS/ASPサービスでは、パッケージのようにライセンスを買う感覚で気軽に利用しやすいなどのメリットがある。現在も他のサービス提供事業者などと販路開拓のため検討を進めているとしている。

 フィルタリングの導入は、企業の業務効率向上、コンプライアンスに絡む違法ソフトのダウンロードの禁止、有害サイトへのアクセス禁止など、セキュリティ対策に効果を発揮する。持ち込みノートPC用の対策としても需要の伸長を見込んでいる。「ASPなら、中小企業でもサーバーレスで使える。J-SOX法対策の経費として落とすことができる」(杉本浩信・セキュリティソリューション部部長)と説明する。「景気の影響なども懸念されるが、コンプライアンスや業務効率化のため、導入を考える企業は多いはず。売上高は前年対比20%の伸びを見込んでいる」(同)としている。

 コンシューマ向け製品の展開にも追い風が吹く。4月1日には、青少年ネット規制法が施行される予定だ。ISPや携帯キャリアなどに対してフィルタリングの提供が求められる。「サービスを販売している企業や、ダウンロードサイトを紹介している事業者など、提供するところは増えている。だが、肝心の利用者にメリットをどう感じてもらえるかどうかが課題」(杉本部長)。同社はPTAや教育機関、県などと共同で啓発活動を続けているが「いまだにネット上の危険について認識が低く、話をすると驚く子どもさんも多い」(同部マーケティンググループの池田泰代氏)。業界では盛り上がりをみせているものの、消費者が利用するかどうかは未知数な部分も多い。だが、ALSIは従来の1.5倍程度の伸びを期待できるのではないかとみている。(鍋島蓉子)