オービックビジネスコンサルタント(OBC)グループのビズソフト(大島敦代表取締役)は、経済産業省が推進する国家SaaS基盤「J-SaaS」を活用したサービスとして、2メニューを発売した。従来パッケージとして販売するソフトを「J-SaaS」用にカスタマイズ、ネットワークを通じたサービスとしてユーザー企業に販売する。26種類あるJ-SaaSのサービスのなかでも安価に設定。低価格を武器に中小企業開拓を図り、2011年3月末までに5000社のユーザー獲得を目指す。

 ビズソフトはOBCグループの業務ソフトメーカーで、パッケージおよびダウンロード版ソフトとして、「会計」「経理」「青色申告」の3タイトルを揃える。OBCも業務ソフトを開発・販売するが、OBCは中小から中堅企業にアプローチするのに対し、ビズソフトの対象ユーザー企業は従業員10人以下の零細企業。顧客ターゲットを区分けすることで差異化を図っている。

 今回経済産業省が主導して構築した「J-SaaS」に、ビズソフトは2種類のソフトを提供。26種類あるJ-SaaSのサービスメニューのラインアップに加わり、会計機能の「ツカエル 会計J-SaaS版」と経理機能の「同 経理J-SaaS版」をJ-SaaS稼動開始日にあたる3月31日に発売した。両サービスには、パッケージとして販売するソフトの上位タイトル「Pro版」と同様の機能を搭載した。今後はこの2種類に加え、J-SaaS向けの専用アプリを新たに開発し、追加することも検討している。

 発売したサービスの月額料金は、会計が2730円(年間契約は3万240円)、経理が2100円(同2万2680円)。「ツカエル 会計J-SaaS版」は、全9種類の会計サービスのなかで2番目に安価で、「ツカエル 経理J-SaaS版」は経理サービスのなかで最も安い価格に設定した。「会計や経理ソフトは機能での差別化が難しい。競争力は使いやすさと価格になる」(ビズソフト)と判断し、低価格を武器にした。

 販売は、パッケージでは家電量販店での販売に加えて、Webサイトでの直販のほか、会計事務所とOBCの販社経由でも販売していたが、J-SaaSサービスではWeb直販に絞る。試用期間を最大3か月間用意して、まずは無償でもユーザーを増やしたい考え。ターゲットはパッケージ事業と同様に従業員10人以下とし、約2年間で5000社のユーザー獲得を目標に掲げている。


 OBCは、J-SaaS向けサービスとして3種類のメニューを販売しており、OBCグループとしては5種類のサービスを展開。J-SaaSにはOBCとビズソフトを含めて、18社のITベンダーが参加して26種類のサービスが揃っているが、OBCグループが最も多いアプリを提供している。(木村剛士)