回線や電話機の通信関連製品やセキュリティ製品などIT商材を販売するフォーバル(大久保秀夫会長兼社長)は、SaaS事業の着手に向けて準備を整える。その一環として、通信事業者とのアライアンスを進めている。

 通信事業者がPaaSを活用した課金制のアプリケーションサービス提供を模索していることから、固定電話や携帯電話販売会社の同社がSMB(中堅・中小企業)にSaaSを普及させるための企画を提案する形をとる。サービス内容は、パソコンと携帯電話を連動して活用するアプリケーションという。海外ベンチャー企業のソフトをSaaS化した。通信事業者は、同社とパートナーシップを組むことで回線サービスを含めたSaaSビジネスを拡大することができる。フォーバルは、コンサルティングや「ビリング(一括請求)」などのサービス・サポートで利益を確保する。具体的な通信事業者は明らかにしていないが、近くサービス提供が実現する模様だ。

 同社は、コンサルティングやサポートなどサービスに力を入れている。機器販売では、単なる物売りでなく提案型の営業を重視したことでユーザー企業から高い信頼を得ており、新規顧客を着実に開拓。業績は、2007年度(08年3月期)まで赤字が続いていたものの、昨年度は黒字に転換する模様だ。

 同社がユーザー対象としている企業は従業員50人以下が多く、IT導入で「誰に依頼すればいいか分からない」といった声が多いという。それを、机上の理論ではなく、これまで現場で培ったノウハウを生かして、業務効率化やコスト削減、業績伸長などユーザー企業の悩みを解決している。その観点に立てば、SaaSをSMBに浸透させることも可能といえそうだ。通信事業者との協業によるSaaS提供が成功すれば、業界で課題になっていた販売モデルを先駆けて構築することになる。(佐相彰彦)