米IBMは、ミドルウェアの「WebSphere(ウェブスフィア)」を搭載したアプライアンス「WebSphere Cloudburst(クラウドバースト)」で、SOA事業での販売代理店を経由した拡販モデルの確立に踏み切った。新規顧客を一気に開拓していくのが狙い。販売代理店に対する支援制度の強化も模索する。

 「WebSphere Cloudburst」は、次世代データセンター(DC)向けに製品化したアプライアンスで、なかでも自社のDCを集約して「プライベート・クラウド」を実現したいユーザー企業を対象としている。同アプライアンスの市場投入で、SOA関連事業の拡大を図ることが狙いだ。

 ユーザー企業に対するSOA関連の製品・サービス提供は、同社が直販で行うケースが多く、間接販売については、ごく限られた販売代理店を経由しているのが実情だ。SOAベースの製品・サービスを使ったシステム案件を獲得するには、高い技術力や長い期間を要するためだ。とくに、日本では導入する企業も大規模なシステムが中心などユーザー層が限られている。一方、アプライアンスならシステムが構築しやすいほか、短期導入が可能となり、新規顧客を開拓できる可能性が高い。ソフトウェア事業でチャネルを担当するバイスプレジデントのサンディ・カーター氏は、「日本では、ハードとソフトを組み合わせて販売しているケースが多い。アプライアンスが拡販できる環境が整っている」と分析する。ユーザー企業にとってもメリットがあると判断しており、「投資を早く回収できるという利点があり、最近では、アプライアンスを求めている」という。そのため、今後もラインアップを順次拡充していく計画だ。

 アプライアンスを含め、ソフトウェアの販売を伸ばすため、販売代理店に対する支援制度の強化も検討している。「インセンティブを高めたり、業種別のプログラムなど、さまざまな切り口で改善していきたい」考えを示している。製品面では、アプライアンス以外に各業界に適したフレームワークを提供。日本では、まず2種類を用意する予定だ。

 また、地域にフォーカスした販売代理店との協業強化を模索。各地域で複数の有力な販売代理店を「チャネルリーダー」に選定し、需要を掘り起こしていくというものだ。例を挙げれば、販売代理店制度として提供している「VAD」の地域版ということだ。中国では、「パートナー・レッド・テリトリー」と称してテスト的に実施。「これが成功すれば、市場特性を加味して日本市場でも実施する」ことを計画している。

 ワールドワイドでは、販売代理店経由の売上高がソフトウェア事業全体の35%程度を占めている。さらに比率を高めるには、日本市場がカギを握りそうだ。(佐相彰彦)