NEC(矢野薫社長)は、デジタルサイネージ(電子看板)関連事業に本腰を入れる。4月下旬に新組織「通信メディアサービスソリューション事業部デジタルサイネージビジネス推進グループ」を設置。独自製品の開発・拡販を加速させるため、企画・開発からシステム構築、営業などの各部門から担当者を集めて組織した。6月2~3日に開催した自社イベント「ディスプレイ・ドキュメントフェア2009」では、デジタル関連製品・サービスを中心に展示し、本腰を入れて取り組む姿勢を鮮明に示した。

 NECはデジタルサイネージ関連製品・サービスを10年前から手がけ、駅や空港などに、多くの設置実績をもつ。ディスプレイ装置から、映像などのコンテンツ配信のソフトとネットワーク、システムの構築・運用までを網羅するビジネス体制を敷いている。ディスプレイ装置では、「eye flavor」が主力商品だ。

 調査会社の富士キメラ総研は、昨年のデジタルサイネージの広告市場規模を170億円と算出し、10年には260億円に拡大すると予測した。NECは広告配信を中心に、デジタルサイネージ関連製品・サービスの需要が拡大するとにらみ、関連スタッフを複数の部門から抽出して新組織「通信メディアサービスソリューション事業部デジタルサイネージビジネス推進グループ」を立ち上げた。事業推進部隊として、企画から開発、営業までを担当する。

 6月2~3日に開催したディスプレイやプリンタ、映像・ドキュメント関連ソリューションの展示するNECの独自イベント「ディスプレイ・ドキュメント フェア2009」では、デジタルサイネージ関連商品を中心に展示。自治体やホテル向けなど、業種や用途別に最適なデジタルサイネージ製品・システムを配置してPRした。このほか、プリンタやプロジェクタ、学校向けの電子黒板などを揃えてアピールした。

 岡田靖彦・ディスプレイ・ドキュメント事業部長は、「デジタルサイネージは、今後、大いに期待できる分野。映像関連ソリューションに強いSIerや店舗開発、空間デザイン事務所などとのアライアンスによって拡販する」と、さまざまな販売チャネルを構築する方針を示している。また、ターゲットとする市場については、「駅や空港などの交通機関が筆頭だが、小売業もかなりのニーズがある」とみている。(木村剛士)