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セキュアブレイン アクセス監視サービスが好調 クラウドとの連携強化へ

2009/07/20 21:35

週刊BCN 2009年07月20日vol.1293掲載

 セキュリティソフト開発のセキュアブレイン(成田明彦社長兼CEO)のウェブサイト不正アクセス監視サービスへの引き合いが増えている。中小規模のウェブサイトをターゲットにしたもので、今年3月のサービス開始から4か月余りで試験導入ユーザーも含めて約100社に到達。「目標としているサービス開始から1年間の受注100件を射程圏内に捉えた」(中田太執行役員マーケティングディレクター)と好感触を得ている。来年度(2010年9月期)末までには200件の受注を目指す。

 同サービスは「gred(グレッド)セキュリティサービス」で、総務省系の情報通信研究機構(NICT)との共同研究を踏まえ、同社で独自に商用化したSaaS型のサービスだ。ウェブサイトの不正アクセスによる改ざんを監視したり、ウイルスなどの感染の有無を判別する。中小企業でも利用しやすいよう料金は月額3万円からに設定。「大企業では情報システム部でしっかり監視しているが、中堅・中小企業では困難な場合が多い」と、顧客ターゲットを明確にし、商品特性を分かりやすくしたことが早期の受注拡大につながった。

 近年、ウェブサイトの改ざんの手口は巧妙さを増し、サイト管理者に気づかれないうちに悪質なウイルスを仕込んだり、有害サイトへ転送したりするケースが目立つ。中小企業では監視人員の確保がコスト的に難しいことから「gredセキュリティサービス」への引き合いが増加。販売パートナーはソフトバンクBBや日立情報システムズ、CSK-ITマネジメントなど中堅・中小に強い販社が取り扱う。今後はSaaSやクラウド事業者との連携も強化することで販路開拓を進める。

 また、「gredセキュリティサービス」と同じく、同社が独自に開発したフィッシング詐欺対策の「PhishWall(フィッシュウォール)」は、銀行や信金、クレジットカード、オンライン証券などおよそ25社に納入。今年度(09年9月期)末までには、「30社余りの受注を視野に入れる」と、ビジネス拡大に手応えを感じている。(安藤章司)
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