クラウド時代への対応を

 日本事務器(NJC、田中啓一社長)は、オンラインのアプリケーションサービス「Google Apps」を活用したソリューション事業を本格化させる。ユーザー企業が「Google Apps」を有効活用するための教育や操作方法の相談・問い合わせ対応サービス、データのバックアップサービスなどの独自付加サービスと組み合わせて販売する。現在、サービスメニューを体系化している段階で、近く発表する。中堅・中小企業(SMB)に強い老舗SIerがクラウドサービス事業に本腰を入れて取り組む。

 NJCは、田中啓一社長の方針により「Google Apps」を活用した事業を1年ほど前から検討。今年4月には自社事業部門の一部で試験的に活用し、使い勝手やビジネスの可能性を検証・模索してきた。今年5月には「Google Apps」の開発パートナー認定を取得、今年7月からは自社利用者数を増やして、サービスメニューの具体的な作成に取り掛かっていた。

 「Google Apps」は、メールやスケジュール管理、電子文書共有など一般的な業務に必要な複数のアプリケーションをインターネットを通じて活用するサービス。ユーザー企業・団体は、アプリをWebブラウザから利用し、システムを保有・運用する必要がない。同社は1アカウントあたり年間6000円で販売するほか、機能を限定した無償版を用意する。7月9日に、ベータ版から正式版に切り替えた。日本国内では富士ソフトなど10社程度のITベンダーが同サービスに独自サービスを加えてユーザー企業・団体に販売しており、今回、NJCも同様の動きを展開し始めた格好だ。

 NJCが用意する独自サービスのメニューは、導入前と運用中で分ける。導入前では、「Google Apps」を有効活用するために、自社利用のノウハウを生かした教育サービスや関連ソフトの提供、既存アプリからのデータ移行などを揃える。一方、運用中では操作方法やトラブルなどに対応するサポートデスクサービスや、アクセスログ取得およびデータのバックアップサービスを予定している。「『スタンド』や『プレミア』といった形で、メニューの個数に合わせてサービスを3種類ほど用意する」(田中社長)。これらを近く発表する計画だ。

 田中社長は、「Google Apps」の事業化について、「当社のメインターゲットであるSMBにどの程度関心を持ってもらえるかについては、少し不透明な点もある。だが、クラウドコンピューティングは確実に浸透するはずで、SIerはビジネスモデルを確実に変えなければならない。そのための準備として試験的に始める意味もある」と話している。(木村剛士)