公平性のアピールで案件獲得へ

 無線LAN専業メーカーであるメルー・ネットワークス(末松秀明社長)は、今年度(2009年12月期)から文教市場で事業拡大を図る意向だ。具体的には、ワイヤレス環境で学生などがキャンパス内でモバイル端末を活用できることを提案。遅滞なく接続可能な「公平性」をアピールしていく。各地域で案件獲得を進めるため、販売代理店とパートナーシップを深める考えだ。

 政府が掲げる国公立学校のICT環境整備に向けた「スクール・ニューディール構想」を受け、メルーでは文教市場の新規開拓で事業領域を広げようとしている。ハイタッチ営業で学校教員などから情報収集したほか、販売代理店とのパートナーシップで各地域の教育委員会にアプローチ。「ネットワーク環境の増強を求める声が多く、なかでもワイヤレスによる環境整備を視野に入れる学校が増えている」(末松社長)という。

 ノートパソコンなどモバイル端末で授業を進めるため、教室内にワイヤレス環境を構築するニーズが高まっており、「多くの生徒がアクセスしても遅滞のない『公平性』のニーズが高まっている。当社の製品が対応できる」と、末松社長は自信をみせている。

 同社の製品は、複数のアクセスポイントを1か所のポイントに見せかける「バーチャルセル」技術が搭載されているのが特徴で、これによりモバイル端末を持ったまま移動した際でも通信切れを抑制することが可能になっている。大学では、人気の高い講義を多くの学生が選択するケースがあり、有線の敷設では対応できない可能性もある。一方、ワイヤレスでは多くのユーザーがアクセスできるものの、場所によって遅滞が起こる危険性があった。こうした問題を解決しているわけだ。末松社長は、「キャンパスネットワークは、ISP(インターネットサービスプロバイダ)と同様に各ユーザーに一定のネットワークを提供しなければならない」と訴える。また、管理者側で設定したユーザーでなければアクセスできない「シングルチャネル」でセキュリティを確保できることも売りの一つだ。「こうした製品特性を他社との差別化要素とし、案件獲得につなげる」としている。

 販売代理店への支援強化策については、「1次パートナーに対しては、当社の営業担当者が仕入れた情報を提供するなど、密に話し合う場を設ける」としている。1次店とのパートナーシップ強化で2次店である各地域のSIerが提案しやすい環境を整える方針。

 また、支援プログラムの拡充も計画している。大学への導入事例をベースに、サーバーなどITインフラと無線LANを組み合わせたシステムをパッケージ化して、期間限定の低価格キャンペーンを打ち出すことや、リース関連サービスの創造を進めていく。(佐相彰彦)