日本で初めて開催する世界最大級のデジタル・マーケティング・カンファレンス「ad:tech Tokyo2009」が9月2日に開幕した。初日のキーノート(基調講演)には米フォレスター・リサーチのシニアバイスプレジデントを務めるジョシュ・バーノフ氏が登場。「マーケティングの未来像 デジタルによる広告の転換期」についてスピーチを行った。

初日のキーノートを務めたジョシュ・バーノフ氏

 「ad:tech」は、インタラクティブ・マーケティングとITテクノロジーに特化したカンファレンス。13年にわたり、ニューヨークやサンフランシスコ、パリなど世界7か国11都市で開催され、日本での開催は今回が初めて。最初の基調講演を務めたジョシュ・バーノフ氏は、ベストセラー「グランズウェル―ソーシャルテクノロジーによる企業戦略」の共著者でもあり、米国で最も有名なアナリストの一人である。

ベストセラー「グランズウェル」の共著者としても有名

 冒頭にジョシュ氏は、マーケティング業界の変革について、「未だにマーケッターは、さまざまな流行り言葉から意味を見出そうとしている。むしろ、言葉自体の理解よりも、消費者がその言葉や現象をどう理解して、どのように活用したいのかなど、人に対する理解が重要である」と言及した。

ジョシュ氏は、「人に対する理解が必要である」を繰り返し強調した

 本題の「デジタルによる広告の転換期」については、「ユーザーの方が、はるかにデジタル化に対応している」ことを挙げ、オンラインショッピングやブログ、SNSといったネットサービスの利用など、ユーザーの行動が変革を迎えるなか、企業やマーケティングはテレビや新聞といったメディアに広告費を費やしていることを指摘。インターネットの利用時間がそのほかのメディアを上回っているという調査結果から、「最終的には、人が最も時間を費やすところに投資が集中する」として、今後もインターネットに対する投資や広告費が伸びることを予測した。

 また、「ユーザーは企業よりも個人を信頼している」ことを、口コミの影響力やコミュニティサイトの活用事例から解説。こうした個人との関係は、「長期的な価値を生み出す」ことを指摘した。

アディダスを例に、コミュニティサイト活用事例を紹介

 最後に、マーケティングの未来像について、「テクノロジーが単に新しく面白いからデジタル化に進んでいるのではなく、有用なテクノロジーを人々が使うことで高い効果を生みだしていることを理解してほしい」とし、今後のマーケティングは、「テクノロジーの背後にある人を理解し、そこに焦点を当てるべきだ」と強調した。

 なお、「ad:tech」は9月2-3日の2日間、東京・港区のザ・プリンス・パークタワー東京で行われる。基調講演のほか、セッションやパネルディスカッション、ワークショップ、展示会場、ネットワーキングなどが催される。

オープニングMCは、日本テレビの土屋敏男エグゼクティブディレクター(右)が務めた