山口県宇部市に本拠を置くSIer、常盤商会(植村育夫代表取締役)の提供するモニターセキュリティ・ソリューションが、民間で需要が高まっている。コスト削減の流れを受け、工場や病院などで導入が進んでいる。

民間企業や病院で需要高まる

 常盤商会は昭和25年に山口県で創業し、石炭・石油類の販売から事業を始めた企業だ。NECとの販売店契約などを経て、現在、地場を中心にIT事業を展開している。一昨年、新規事業として農業に参入し、ブルーベリーの栽培を開始した。食の安全や、団塊世代や社会的弱者の雇用創出などの問題を解決するための一策として、宇部市真締川ダム付近に畑を設けた。農業を中心とした新たな事業の創造が目的だという。有機JAS認定を受け、知的障害者授産施設「うべくるみ園」などの協力を得た生産体制を築き、山口県内を中心に商品を出荷している。

収穫期を迎えているブルーベリー

 

農園で稼働中の監視カメラ

 全国的に農業従事者は高齢化が進んでいる。そんななか、常盤商会は1年前から監視カメラのセキュリティソリューションを自社農園で運用し始めた。もともとは農園や果樹園などでの害獣を監視し、警告音を発して被害を抑制する用途を想定して開発したソリューションだった。だが「不況で、コスト削減意識が高まるなかで、工場内の監視や、病院など民間の施設の需要が高まってきた」(植村代表取締役)という。

植村育夫代表取締役

 同社のモニターセキュリティ・ソリューションは、ハードウェアはカメラ、パソコン、回転灯などの市販パーツを組み合わせ、自社開発のソフトウェアによって安価での提供を実現した。1システム20~30万円ほどで導入可能だ。赤外線センサーによって不審者を検知し、回転灯と警告音でけん制し、カメラで事象を記録する仕組み。「当社がもっていたFA(ファクトリー・オートメーション)技術のノウハウと画像処理技術を組み合わせて開発した」(植村代表取締役)という。駐車場や地元の幼稚園など、すでに4社への導入実績がある。今後は、農園に対してもソリューションの拡販を目指す。(鍋島蓉子)