TDCソフトウェアエンジニアリング(TDCソフト、谷上俊二社長)は、新規事業の開拓と既存事業の強化を進める。オフショア開発が盛んになって単価が下落したのに続き、海外勢の攻勢による競争の激化で事業モデルの再構築を迫られている。他社との差別化には、スクラッチ型のソリューションで顧客満足度を追求。サービスのパッケージ化やM&Aなどで、将来的に年商500億円を目標に掲げる。

事業モデルの再構築急ぐ

独自のソリューション分野拡大目指す


 TDCソフトは、スクラッチ型のソフト開発に軸足を置いてきた開発型のSIerである。パッケージと連携する部分で顧客の要求に対応していく顧客目線のサービス確立を経営方針として掲げてきた。今年6月に就任した谷上社長は、「システムの基幹部分は大手中心に任せ、開発の部分を引き受けていく」として大手SIerとの棲み分けを図る。

 独自に開発した携帯電話を活用したシステムは成長分野の一つ。携帯電話のカメラ機能を活用し、写真つきの報告書を作成する「ハンディトラスト」は、すでに多方面から引き合いが来ており、有力商材として期待できると自信を示す。一方で「既存のシステム開発と連携したポジションの開拓が必要」と、収益の主要部分を占める大規模システム開発との相乗効果の発揮が欠かせないと語る。


 同社は、全売上高の5割を富士通とNTTグループが占めるなど、受注先が超大手の優良企業であることを誇る。残りの5割は中堅企業などに向けた「独自のソリューションを伸ばす」と、自らが元請けとなるビジネスに力を入れる。だが2009年3月期は、注力分野である独自のソリューション分野で売り上げが減少。今後拡大が見込まれるクラウド/SaaSへのより一層の対応強化など事業基盤の再整備が求められる。

 オフショア開発の流れや海外勢との競争の激化で、サービスの差別化は目下の課題だ。価格競争やクラウド/SaaSなどへの対応策も急務となっている。とはいえ、強みとしている金融関連分野は、厳しいなかでも活況がある。「顧客目線の従来型SIでも存在感を示す」と、既存事業でも収益拡大の可能性を探る方針だ。(信澤健太)