日商エレクトロニクス(大橋文雄社長)は、中国など東アジア地域での事業に着手する。現段階では、各国の有力ベンダーと協業を進めており、ここ1~2年で体制を固める考えだ。国内の環境が厳しい状況のなか、市場の拡大を視野に入れることで業績拡大につなげる。

 日商エレクトロニクスが東アジアでアライアンスを組もうとしているのは、インテグレータだ。中国をはじめとして、ベトナムやマレーシア、インドネシアなどで販売網を構築する。大橋社長は、「短期間で体制を整える」方針を示し、各国のメーカーと販売代理店契約を結ぶことで製品調達を強化するほか、各国企業とジョイントベンチャーの設立も模索している。

 東アジア地域へのビジネス着手に乗り出したのは、国内環境の厳しさが背景にある。「ITシステムやネットワークインフラに関する投資意欲が、企業の間で徐々にではあるが盛り上がり始めてきている。とはいえ、製造業で厳しい状況が続いているなど、景気回復には時間がかかる」とみており、市場を国内だけでなくアジアに広げることが成長につながると判断した。また、「東アジアは、IT新興国に位置づけられており、ポテンシャルがある。厳しい状況だからこそ、業績回復のためにチャレンジしなければならない」と断言する。

 これまでは国内市場が中心のインテグレータとして展開してきたものの、「商社系インテグレータのあるべき姿は、海外市場を常に見据えていること」としている。米国ではメーカー製品の調達に加え、同国を事業領域として販売を進めてきた。しかし、米国は世界のなかでも厳しい状況が続く市場の一つでもある。そこで、海外事業を手がけてきたノウハウを生かすことにしたわけだ。

 今年度(2010年3月期)の業績は、第1四半期の時点で売上高が77億900万円(前年同期比27.9%減)、営業損益が4億1600万円の赤字(前年同期は1億3300万円の赤字)とマイナス幅が広がり、経常損益で3億4500万円の赤字(同5300万円の黒字)に転換してしまうなど、厳しい状況に陥っている。国内市場では、「ユーザー企業がサービス型モデルを提供できるようなインフラを構築する」としており、まずはグループ会社でクラウド化を進める。一方、海外では優れた製品の調達や販売網を広げるといった本来の流通事業を強化。これにより、他社とは一線を画したインテグレータとしての機能を強化する方針だ。(佐相彰彦)