内田洋行グループの静岡ユーザック(静岡市、土屋正弘社長)の事業改革が正念場を迎えている。中小・零細の既存顧客から中堅・準大手へと顧客ターゲットを拡大させる改革を2004年から始めた同社だったが、世界同時不況による製造業顧客の業績悪化で壁に突き当たっている。製造業の迅速な回復が難しい状況下で、食品や建材卸など非製造業の顧客開拓に取り組むことで業績回復を目指す。

食品や建材卸などに活路

 オフコン全盛期から静岡の地に根を下ろしてビジネスを手がけてきた静岡ユーザック。メインターゲットとしてきたのが年商20億円・従業員50人未満の中小企業ということもあり、長期の成長戦略を描けずにいた。その停滞を打ち破るために企図したのが、製造業を中心とした中堅・準大手市場への進出である。静岡県の製造品出荷高は愛知、神奈川に次ぐ全国第3位で、市場も大きい。2008年7月期には製造業シフトがプラスに働き、年商が過去最高の10億円近くに到達した。ところが、リーマン・ショックに端を発する不況の直撃を受け、直近の09年7月期では売り上げが約1割ダウン。事業改革は厚い壁にぶつかった。

 そこで打ち出したのが、景況に影響されにくい食品や、構造改革が進む建設業界に活路を見出す方策だ。例えば建設関連業界では、建材卸からリフォームなどの施工サービスへと業容を拡大するなど、事業ポートフォリオの見直しが目立ち始めている。伸び悩みを打破するため、ユーザー自身による構造改革が活発化しており、「勝ち残りを目指す改革や、経営者の若返りを進める企業に照準を合わせる」(土屋社長)と、成長分野に経営資源を集中させるこで自社の業績回復に努める。

 建設業向けでは、これまでにも納入実績が多数ある。見積り積算や原価管理などのノウハウもあり、建材卸にも応用しやすい。食品については内田洋行本体が力を入れており、グループのシナジーを生かせる領域だ。製造業の急速な回復は難しいとしても、中堅・準大手の基幹系、情報系の両面のSIに耐えうる社内開発体制の強化やグループの連携を強化。早い段階で年商10億円、営業利益率4~5%の収益獲得体制を回復させる。(安藤章司)