NTTコミュニケーションズ(NTT Com、和才博美社長)は、法人向けモバイルIP電話サービス「.Phoneユビキタス」のユーザー層を広げることに踏み切った。通話関連のトータルなコスト削減を切り口に、とくに中堅・中小企業(SMB)での利用を促している。ユーザー企業を確保することによって、将来的には同社が提供拡大を図ろうとしているクラウドサービス「BizCITY」の普及にもつなげる方針だ。

クラウドサービスの普及も視野に

堀口毅典
販売推進部担当課長
 「.Phoneユビキタス」は、「050」番号のIP電話をウィルコムのサービスエリアでPHSを使って無料で利用することができるというもの。ユーザー企業は、社内のIP電話とPHS間に加え、このサービスを導入している企業との間でも無料で通話することができる。一般電話への通話も、3分あたり料金を8.4円とリーズナブルに設定している。

 コスト削減の観点から需要が拡大しており、2009年度(10年3月期)の時点で3000社以上が導入している。ユーザー企業を増やすため、NTT Comは販路拡大を重視。大企業をユーザー対象とする直販に加え、大企業やSMBを顧客開拓するPBXディーラーを販路として確保している。とくに、SMBを開拓する販社網の形成が功を奏し、ユーザー企業が増えたとみられる。

 ユーザー層を広げる策として、今後は「モバイル端末で社内にあるPCのメールを閲覧できるようにするなど、ソリューション展開も視野に入れる」(堀口毅典・販売推進部担当課長)という。どのようなアプリケーションを提供するかは現段階で未定だが、「アプリケーションを開発するベンダーを販売パートナーとして確保して、内容を充実させる」ことを模索している。

 また、クラウド・コンピューティング時代を見据え、「ユビキタスオフィス」や「アウトソーシング」などを切り口としたサービス「BizCITY」と連携することも検討中だ。「BizCITY」関連ビジネスでは、モバイル端末を使ってクラウドサービスを利用することを想定していることから、「.Phoneユビキタス」で獲得したユーザー企業に対して「BizCITY」の利用を提案するといったビジネスモデルが構築できそうだ。

 同社では、「.Phoneユビキタス」関連のビジネスとして、10年度(11年3月期)にPHSの販売台数を現状の2倍に引き上げる計画を立てている。「サーバーやコピー機などを販売するベンダーの保守・メンテナンス担当者や建設関連の業者が『.Phoneユビキタス』を利用するといった需要が眠っているのではないか」(堀口課長)とみている。なかでも、サーバーやコピー機などのディーラーに関しては、ユーザー企業として獲得し、さらに販売パートナーとして確保する可能性がある。(佐相彰彦)