大規模システム向けRIA(リッチインターネットアプリケーション)ソフト開発の日本ネクサウェブ(矢形勝志社長)の業績伸び率が高まってきた。経済危機で伸びが鈍化していた同社だが、2009年10~12月期の製品ライセンス売上高は前年同期比で約44%増、今年1~3月期は同107%増と急拡大。「日本法人の創業期を除けば、最も高い水準の伸び率」(矢形社長)と、顔をほころばせる。IT投資が回復基調にあることと、企業の基幹業務システムのRIA化の潮流が背景にある。

矢形勝志社長
 業績の中身を見ると、契約件数ベースでは新規顧客が約6割、既存顧客が約4割を占めるものの、金額ベースでみると既存顧客が約6割を占める。つまり、これまで一部システムで同社主力RIA製品「Nexaweb(ネクサウェブ)」を試験的に運用してきたが、調子がいいので適用範囲を拡大するというユーザーのニーズが高いことを示している。

 日本ネクサウェブは、大規模業務システム向けのRIAインタフェースに特化し、かつバックエンドのロジック部分まで踏み込んだフレームワークを揃えている点が強み。景気が回復基調にある今、大企業がこれまで保留してきたIT投資を再開し始めていることが、「追加オーダーにつながった」と同社はみている。

 もう一つ重要なポイントは、メインフレームやクライアント/サーバー方式で構築された古い基幹系業務システムの刷新需要だ。閲覧するのに特殊なクライアントソフトや、専用の情報端末が必要なケースがあるなど、維持コストがかかる。RIAは汎用的なブラウザで閲覧でき、特殊な端末も必要ない。基幹システムへの新規投資は金銭的に難しいが、コスト削減できるなら投資してもいい──。そんなユーザー企業のニーズを掴んだ。

 課題は、新規顧客の開拓スピードをどこまで高められるかにある。受注が拡大基調にあることから、比較的規模の大きいユーザー事例カンファレンスを新日鉄ソリューションズやTISなどのビジネスパートナーの協力を得て6月下旬に東京と大阪で開く。こうしたカンファレンスは今回が初めて。当面は事例カンファレンスを年2回、他に小規模なセミナーを年4回ほど開催。認知度を高め、新規顧客の開拓へとつなげる。ビジネスパートナーと協調した販売施策を活発化させることで今年度(2010年12月期)の売り上げを前年度比で50~80%伸ばす方針だ。(安藤章司)

Nexawebを使った画面イメージ。
RIA技術を使えば、高度な業務アプリケーションのインタフェース画面を、
ブラウザ上で容易に表示できる