自社開発のERP(統合基幹業務システム)「スーパーカクテル」を展開する内田洋行(柏原孝社長)は、CRM機能を標準実装した販売管理システムを、9月をめどに市場へ投入する。

中堅企業に使いやすさを訴求

角野雅夫・情報システム
事業部企画部部長
 新製品は、「現在当社が抱えているユーザーにいかに使ってもらえるかを検討した。とくに、身近だが普通に使えて、ユーザーに負担をかけずに効果を出せる機能を念頭において開発に取り組んだ」(内田武利・情報システム事業部企画部企画課課長)と、その狙いを語る。

 第一に追求したのは、外部システムとの連携ではなく、使いやすさ。納期遅れや売れ筋製品などの定量的な情報と、クレーム情報や社員のコメントなどの定性的な情報などを、一覧にして表示できるように工夫を重ねたという。確認が必要な仕掛り業務には、タグを付けて社内チェックが行き届くようにすることが可能となっている。

 同社が主要ターゲットに据える年商100億円前後の中堅企業は、情報システム部門の担当者が不足しているケースが少なくない。「管理しきれない」という声も考慮し、簡易版を用意する考えだ。 ユーザーのニーズは、いまだハードウェアのリプレースや業務改善が中心で、CRMやビジネスインテリジェンス(BI)の引き合いはまだ少ない。そこで、企業規模が小さくても成長を続けていたり、高いシェアを維持したりしている中堅企業を、まずはターゲットに据える。

 具体的には、IT投資意欲が旺盛で「攻めの経営」に比重を置いている企業の開拓に取りかかる。加えて、従来得意としてきた食品業や包装資材卸などの各業界で事例を積み重ね、評判を高める考えだ。地道な販売戦略で案件を勝ち取っていく。販売から1年で、リプレースと新規合わせて1.5倍の売り上げ拡大を目標としている。

 もともと販売管理は、同社が強みとしてきた分野。とはいえ、リーマン・ショック以降、ユーザー企業のIT投資に対する判断は厳しくなっている。そのうえ、今後は国内市場の成長も期待できない状況だ。

 すでに、「スーパーカクテル」の機能限定版や地方向け価格帯の設定のほか、情報システム事業部として初の海外進出など、売り上げ創出に向けて新戦略を打ち出しており、今回の新製品投入もその一環といえる。

 このほか、SaaSビジネスやビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の立ち上げも計画している。同社は自前のデータセンター(DC)をもっていないため、富士通のDCを利用することになる。角野雅夫・情報システム事業部企画部部長は、「『スーパーカクテル』の後継プラスアルファという形になる」と説明している。(信澤健太)