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レノボ・ジャパン 一体型PCで法人市場開拓

2010/09/16 10:17

週刊BCN 2010年09月13日vol.1349掲載

 レノボ・ジャパン(ロードリック・ラピン社長)が、企業向けデスクトップPC販売で新領域の開拓に乗り出している。モニタとPC本体がセットになった戦略機種「ThinkCentre M90z All-In-One」を発売し、オールインワンタイプ(一体型)の企業向けPC市場を開拓しようとしている。2010年の企業向けオールインワンタイプPCは前年比40%増で推移(米IDC調べ)する有望市場。台数規模は小さいが、差異化ができる分野として販売を強化する。

急成長市場で先行し優位に立つ

 「ThinkCentre M90z All-In-One」(M90z)は、企業向けのオールインワンタイプのデスクトップPCで、企業市場を開拓するためにレノボが今夏に投入した戦略機種。レノボは、2009年11月に19インチの企業向けオールインワンタイプを発売したが、今回はユーザーの要望に応えるかたちでさらに大型化を図り、「M90z」ではモニタサイズを23インチとした。業務での利用を意識し、PC管理に有効な「インテル vPro テクノロジー」に対応し、OSには、Windows 7 Professionalまたは同 XP Professionalを採用した。Windows 7では、オプションでタッチ操作もサポートしている。

 レノボのマシュー・コーハット・アンバサダーは、「他社のオールインワンタイプはコンシューマ向けが主流だが、われわれはビジネス向けとしてもオールインワンタイプを求める声は強いとみている」という。設置スペースが確保しにくい小売店舗や医療機関では、オールインワンタイプを求める傾向があるようだ。

 米IDCは、オールインワンタイプは台数規模こそ小さいものの、2010年は対前年比50%弱の高い成長を予測している。通常のデスクトップPCに比べて単価が高く、メーカーや販社にとっては利幅が大きい。レノボは、現段階ではまだ市場が小さいものの、中期的な成長が見込める分野とみており、先行することによって優位に立とうとしている。

 コーハット氏は、レノボの商品開発やマーケティング施策に役立てるために、競合メーカーの戦略や製品を調査・分析するのがミッション。レノボの優位性について、「開発拠点が北京、米ラーレイ、そして日本の大和研究所にあり、開発を休むことがない。旬の技術や顧客の要望にスピーディに取り組むことができる体制は、他社には真似できない」とアピール。オールインワンタイプについても、「セキュリティや省エネ設計など、まだやるべきことはたくさんある」と強力に推進する姿勢を示した。(木村剛士)

コーハット氏は、HDDやメモリの増設が容易な点も実機を見せて訴えた
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