社団法人電子情報技術産業協会(JEITA、下村節宏会長)は、1月6日、会員企業と関係者を招き、2011年の新年賀詞交歓会を開催した。

 主催者を代表して挨拶した下村節宏会長は、昨年を「深刻な不況から回復傾向に転じ、明るい兆しがみえたものの、欧州の金融不安や米国経済回復の遅れなど、新たな問題に直面している。海外メーカーとの熾烈な国際競争や、大幅な円高などにより厳しい環境が続いている」と振り返った。また、日本経済を取り巻く環境について、「エコポイント制度などによって最悪期は脱したものの、自律的な回復過程には入っていない」と分析。さらに、日本の国際競争力を強化するために、「国内の研究開発拠点やマザー工場の海外流出を防ぐ環境整備も重要な取り組みの一つになる」とした。 

下村節宏会長

 今年7月の地上デジタル放送完全移行については、「地域間格差の解消と受信障害対策に積極的に協力し、混乱なくすべての国民がスムーズに移行できることを目指す」と強調。最後に、「ITエレクトロニクス産業が豊かな低炭素社会の実現に貢献できるように、引き続き積極的に事業を推進していく」と、協会の方針を示した。 

松下忠洋経済産業副大臣

 来賓を代表して挨拶に立った松下忠洋経済産業副大臣は、「官民一体となって、国内はもとより、海外に力を発揮できる仕組みをつくっていかねばならない。困難を乗り越えて国を強くしていきたい」と述べ、さらに大手メーカー幹部などを前に「これまで地方産業や中小企業に貢献していた製造業が、国内にとどまることを諦めて海外展開に力を入れている。しかし、地域を元気にするために、できるだけ国内に残ってもらいたい」と訴えた。 

矢野薫筆頭副会長

 JEITAの矢野薫筆頭副会長は、「ITエレクトロニクス業界は、長年にわたって日本で最大規模の雇用をつくり出してきたという自覚と誇りをもって、新たな取り組みに挑戦していく。しかしわれわれは、今まさに熾烈な国際競争の真っただ中にいる。税制を含め、競争環境の整備、新成長戦略の確実な実行を国に期待する。ITエレクトロニクスは、あらゆる産業の基盤だ。日本の競争力強化をイノベーションで実現するという強い気持ちで頑張っていく」と力強く宣言した。