電子情報技術産業協会(JEITA、下村節宏会長)は、12月15日、2011年の「電子情報産業の世界生産見通し」を発表した。11年の電子情報産業全体の世界生産見通しは、前年比6%増の220兆9000億円との見通しを示した。

 電子工業(ハードウェア)とITソリューションサービスを含めた電子情報産業全体の2010年世界生産見通しは、新興国の成長や各国の政策支援などに下支えされ、前年比10%増の208兆8000億円まで回復する見込み。国際貿易環境など海外景気懸念、為替レートの変動リスク、資源確保の課題など、先行きは不透明な状況だが、11年は前年比6%増の220兆9000億円に拡大するとの見通しを示した。

 電子工業(ハードウェア)の日系企業の生産見通しは、11年は国内生産が全体で前年比2%増、海外生産が6%増となり、金融危機後の急激な円高などに対応するため、グローバル生産体制が進展する見通し。このうち、ディスプレイデバイスの海外生産は、海外メーカーとの競争激化によって前年比4%減を見込む。

 また、11年の国内生産比率は39%と、08年比4%減。ただしディスプレイデバイスは、3D対応など、高付加価値製品が唯一国内比率を引き上げるとしている。

 国内生産規模は前年比2%増の15兆7000億円で、二桁伸長した10年に比べると伸び率は大幅に鈍化。下村会長は、「マザー(母体となる)工場は国内に残しておかなければならい」と強調した。

 12月のエコポイント対象基準の変更を前に需要が集中した11月の薄型テレビ販売について、下村会長は「地上デジタル放送受信機の世帯普及率が100%に近づくなど、来年7月の完全移行に向けて順調に進んだ」との見解を示した。

 地デジ完全移行後に懸念される需要の落ち込みについては、「家庭のテレビのうち1台の買い替えは終わっている。しかし、家庭のテレビの平均台数は2台。マーケットのポテンシャルは縮んだわけではない」と述べ、「薄型テレビの2010年度の国内出荷台数は2300万台を見込んでいるが、例年は1000万台前後の市場。2011年以降は、平常のオペレーションにしていくことになるのではないか」とした。「2台目需要や新たな技術を搭載した新製品を各社が投入していくことで、激しい打撃をできるだけ受けないように対応していくだろう」と述べた。

2011年「電子情報産業の世界生産見通し」を発表する下村節宏会長