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EMCジャパン、既存製品の“いいとこ取り”、ストレージ統合の新製品

2011/02/15 22:19

 EMCジャパン(山野修社長)は、2月15日、「EMC Celerra」と「EMC CLARiX」の機能をあわせもち、SANとNASの両方に対応するストレージの新ブランド「EMC VNXファミリ」を発表した。

 「EMC VNXファミリ」は、SANとNASの両方をサポートする新製品で、「ファイルデータもブロックデータも一つにまとめられる“真の”ストレージ」(中野逸子・プロダクト&ソリューションズ統括部マネジャー)。効率的なストレージ統合を手がけられるのが特徴だ。

 中規模の情報システムに適した「VNXシリーズ」と、小規模システム向けの「VNXeシリーズ」の2種類で構成する。

 「VNXシリーズ」は、「EMC Celerra」と「EMC CLARiX」のアーキテクチャを移植し、信頼性を確保しながら、最新のハードウェアを採用することで高い処理能力をもたせた。業界で唯一、SANにもNASにも対応した自動階層化機能も搭載している。

 ハードウェアの構成や機能別に5機種を用意。主なターゲットは中堅・大企業の部門システムで、同社の販売パートナープログラム参加企業を経由して販売する。価格は、最小構成「VNX5300」で212万円から。2月15日発売で、28日に出荷を開始する。

 「VNXeシリーズ」は2機種。「EMC Celerra」と「EMC CLARiX」のアーキテクチャを引き継ぎながら、新しい設計構造で使いやすさにこだわった。「3ステップ、10分で設置が完了する」(中野マネジャー)ほか、ストレージの割り当てが簡単で、ボリュームの作成からサーバーの接続までをウィザードで設定できる。ターゲットは、中小企業や中堅・大企業の支社・支店、ブランチオフィスなどに設置される小規模システム。ディストリビュータ経由を軸に販売する。今年4月の発売予定で、価格は未発表。

 山野社長は、「EMCはこれまで高性能・高信頼を武器にし、ハイエンド製品の販売が強かった。しかし今、中規模システム向け製品のニーズが強まっている。その需要に対応するため、ハイエンド機種のノウハウを移植した製品で市場に応える」と新製品投入の背景を語った。

 また、ストレージを統合すれば、販売台数に影響する恐れがあるが、山野社長は、「確かにその可能性は否定できないが、ユーザーは複数あるSANやNASを統合して一元管理したいと思っている。そのニーズに応えることが大切。また、データの容量は年率40%ほどで増えており、その環境を考えれば、販売は伸ばすことができると思っている」とユーザーニーズを理由に挙げた。(木村剛士)

記者会見で挨拶する山野修社長
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外部リンク

EMCジャパン=http://japan.emc.com/