日本IBMのパートナーで情報システム開発の三和コムテック(柿澤晋一郎社長)が、日本IBMのクラウドサービスと連携させた障害対策ソリューションを企画して、このほど発売した。東日本大震災を受けて急きょ企画したソリューションだが、「引き合いが急増している」(柿澤社長)。ユーザー企業が自社保有・運用する情報システムのバックアップを日本IBMのデータセンターに格納しておくソリューションで、災害対策に真剣に取り組み始めた企業との商談が増えている。

 三和コムテックは、「AS/400」(現・PowerSystems)の販売に強い日本IBMのビジネスパートナーである。情報システムの災害対策ソリューションも得意としており、「20年ほど前から手がけている」(柿澤社長)。ユーザー企業が自社保有・運用するシステムがストップするような事態に備えて、バックアップシステムを他の場所に構築しておき、システムが停止したらバックアップシステムに切り替えるソリューションがある。三和コムテックは、この仕組みを構築するためのソフトと、構築ノウハウをもつ。

 今回新たに企画したのは、このソリューションを応用したものだ。日本IBMのクラウドサービスである「IBM Smart Business Cloud-Enterprise(IBM SBCE)」を活用して、日本IBMのデータセンターにバックアップシステムを構築する。バックアップをクラウドに構築したいと考えるユーザー企業が増えるとみて、企画した。災害対策に関するユーザー企業の関心も高く、参考情報を掲載したところ、三和コムテックのウェブサイトのアクセスが10倍に増えたという。

 三和コムテックのソリューションを活用して、システムを二重化していた埼玉県に本社を置くユーザー企業では、震災後の計画停電で本社で稼働していたメインシステムと、バックアップシステムを設置していた場所が同じ計画停電グループだったため、システムを止めざるを得ない状況に陥ったという。こうした問題を解決するためにクラウドを活用する機運が高まるとみられる。

 柿澤社長は、「今回の震災を受けて、企業はバックアップシステムをどこに保有すべきかを真剣に考え始めている。そうしたなかで、クラウドに預けるのが適していると判断した企業が増えている」と話す。「日本IBMが手がけるクラウドという安全・安心なイメージが後押ししている」とも言う。

 「IBM Smart Business Cloud-Enterprise」は、2010年の提供を開始したパブリック型のクラウドサービスである。ユーザーが利用するデータセンターを選択できるのを特徴としている。(木村剛士)