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ポーターズ、人材紹介企業向けクラウドサービスを提供、15年までに国内1万ユーザーの獲得を目指す

2012/03/29 20:06

 ポーターズ(西森康二代表取締役)は、人材紹介ビジネスを手がける企業向けクラウドサービス「PORTERS HR-Business Cloud」の発表会を開催した。第一弾として、4月2日、アプリケーション・プラットフォーム「HR Apps Platform」の提供を開始する。

 ポーターズは、2001年8月の設立からこれまで、人材紹介企業向けの業務管理システム「プロ・エージェント」を中心に事業を展開してきた。今年3月時点で500社以上が「プロ・エージェント」を導入しており、これらの実績をベースに「PORTERS HR-Business Cloud」を開発した。

 厚生労働省の「平成22年度職業紹介事業報告の集計結果」によれば、有料職業紹介事業全体の求人件数約206万件に対して求職申込件数は約423万件。就職件数は約39万件にとどまっている。西森康二代表取締役は、「ニーズのマッチングで成果が出ているのは10%にも満たない状況だ。就職、転職ができていない人がたくさんいる」と、人材紹介ビジネス業界の課題を指摘した。そのうえで、「業務ノウハウをもつユーザー自身が自由にアレンジして活用したり、他のシステムと容易に連携させたりできるシステムが求められている」とした。 

ポーターズの西森康二代表取締役

 「HR-Business Cloud」は、人材紹介、人材派遣、特定派遣、採用側の企業、大学のキャリアサービスなど、人材紹介ビジネスに関わる企業・団体の事業活動を支援するためのクラウドサービス。アプリ・プラットフォーム「HR Apps Platform」と、ソーシャル・プラットフォーム「Links」の二つのプラットフォームで構成する。

 先行してリリースする「HR Apps Platform」は、1000万超の求職者データや添付ファイル(レジュメ)を高速で検索。独自のアルゴリズムによるレコメンデーションエンジンを実装し、特定の求職者に対して、その属性やプロフィールに含まれる要素を必要とする求人をすべてのレコードのなかから高速に抽出して、自動で通知する。このほか、アプリケーション連携のためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を用意している。

 「HR Apps Platform」上では、「Enterprise Application(標準アプリ)」「User Application(ユーザーアプリ)」「Third Party Application(サードパーティアプリ)」を提供する。

 標準アプリは、クライアント情報や求職者情報の管理をはじめ、契約情報の管理、売り上げの管理、レポーティングなどの機能をもつ。項目の追加や変更などのカスタマイズは、ドラッグ&ドロップで簡単にできる。日本語・英語・中国語の3カ国語に対応する。

 ユーザーアプリは、ユーザー企業が自由に開発できるもので、今後は開発パートナー認定制度を整備し、年内に5社の認定パートナー獲得を目標とする。サードパーティアプリは、標準提供する機能に加えるサードパーティが開発したアプリケーション。初年度は、求職者開拓サイト、勤怠管理、CTI、名刺入力など、10領域/30アプリケーションを目標に拡充する。

 システムは、国内2か所のデータセンター(DC)でネットワーク、サーバー、データベースを多重化しており、国外DCでのバックアップによる災害時の事業継続性も確保する。SLA(サービスレベル・アグリーメント)は稼働率99.9%で、9時から18時まではメールや電話でサポートする。

 価格は、1人あたり月額1万2500円(ユーザー10人まで)からで、11人以上は月額5000円から。導入検討企業には、30日間の無料トライアルサービスを提供する。ポーターズは、2015年までに国内1万ユーザー、2020年までにグローバルで10万ユーザーの獲得を目指す。「Links」は年内に提供を開始する予定。(信澤健太)
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外部リンク

ポーターズ=http://www.porters.jp/