データ復旧会社のデータサルベージコーポレーション(阿部勇人代表取締役)は、データ復旧技術を活用した自社ソフトウェア製品群を拡充する。クローン(複製)やデジタルフォレンジック(電子証跡)などの分野で、すでに部分的な商用販売をスタート。2013年春以降、順次、デジタルフォレンジックやエンタープライズ版などの製品化を目指す。

阿部勇人 代表取締役
 データサルベージコーポレーションが開発するソフトウェア製品群のブランド名は「MASAMUNE(マサムネ)」で、「クローン」と「バックアップ」「イレース(消去)」の三つに大別される。今回、製品化に踏み出したのは「クローン」の部分だ。(図参照)

 クローンは、さらに(1)リカバリー、(2)デジタルフォレンジック、(3)両者の機能を併せもつエンタープライズの三つを製品化する予定で、2012年12月、リカバリ機能をもつ「MASAMUNE Clone RE」をシリーズで初めて製品化した。CDドライブからシステムを起動することで、分解が難しいノートパソコンや、データが分散保存されているRAIDストレージなどで「個別にハードディスクドライブ(HDD)を取り出さなくても済むため、復旧にかかる工数やコストを削減できる」(阿部代表取締役)ようにした。

 従来のデュプリケーター(データ複製機)はHDDを取り出す必要があったので、ノートパソコンや構造が複雑なRAIDの復旧に手間がかかっていた。故障機から直接データを復旧することも可能だが、「傷口を広げるリスクが高いこともあって、通常はまずクローンを作成して、クローンからデータ復旧を行う」(同)という。

 同社ではこのクローン作成技術を応用するかたちで、デジタルフォレンジック版の製品化の準備を進める。証拠隠滅のためにHDDやデータが壊されているケースが多いので、「原本を保全しつつ、なおかつ証拠となり得るよう、破損部分も含めた完全なクローンの製作を可能にする」(同)ことを目指す。

 「MASAMUNE」関連製品はSIerやソフト開発会社との連携も進めつつ、この先3年で5億円程度のビジネスに広げていく方針だ。(安藤章司)