弥生(岡本浩一郎社長)は、スマートフォンアプリやクラウドサービスを開発・販売するクラウドキャスト(星川高志代表取締役)と資本・業務提携することを明らかにした。2500万円を出資し、岡本社長がクラウドキャストの社外取締役に就任する。同社のスマートフォン、クラウド向け技術と弥生製品の連携を強化する方針だ。なお、出資比率は33.3%未満のマイノリティ出資。

 弥生の発表によれば、同社の業務ソフト「弥生シリーズ」は、2013年度上期には本数、金額ともマーケットシェアを拡大している。本数シェアは60.1%、金額シェアは72.8%にのぼるという。とくに申告ソフト、会計ソフトが好調で、業績の伸びを支えている。

 同社が力を注いでいるのは、中小企業、個人事業主、起業家などのスモールビジネス。この分野の登録ユーザー数は、4月末現在で約107万件と、圧倒的なシェアを誇る。ただし、クラウドコンピューティングの普及などによって、ユーザーのIT環境も変化してきていることから、新たな付加価値を提供する必要があると判断して、昨年9月、クラウドサービス「弥生オンライン」を開始した。

 当初は1年間で3000ユーザーの獲得を目標としていたが、サービス開始から半年が経過した現在、「実際の獲得ユーザー数は100未満にとどまっている」(岡本社長)。同社では、認知度の低さを最大の課題としているが、2013年中に予定している新たなサービスメニューの投入に合わせて、クラウドプラットフォームにWindows Azureを採用し、運用の柔軟性を確保するとともに、複数のOSやスマートデバイスへの対応も進める予定だ。

 クラウドキャストとの提携は、そうした動きの一環である。岡本社長は、「Windowsのデスクトップアプリケーションだけやっていればよかった時代は終わった。弥生はオープン・イノベーションで他企業と連携し、それぞれの強みを生かす方向で市場をカバーしていく」と説明する。

 クラウドキャストは、スマートフォンから弥生製品への取引入力を実現するアプリ「bizNote for 弥生会計」を開発し、「弥生スマートフォンアプリコンテスト」でグランプリを受賞した。両社は今後、弥生製品と「bizNote」のID連携やデータ連携を進め、サポート体制も共同で強化していく。(本多和幸)

弥生の岡本社長(左)とクラウドキャストの星川代表取締役