キヤノンITソリューションズ(浅田和則社長)は、ウイルス対策ソフトウェア「ESET」のマルチプラットフォーム対応を強化することなどで、中堅・大企業向けに市場を拡大する。企業のモバイル利用環境が変化するなか、より多くの端末に対応する必要性が高まっていることから、多様な要望に応える機能を追加する。

 キヤノンITソリューションズは、今年7月、ESETの法人向けライセンス製品で、新たにAndroid対応のプログラムを追加した新製品を発売した。同時に製品の名称を総合セキュリティ製品「ESET Endpoint Protection Advanced」と、ウイルス・スパイウェア対策製品「ESET Endpoint Protection Standard」に改称。スマートデバイスの普及を念頭に置いて、よりわかりやすい製品名にした。

 両製品は、従来収録していたWindows、Mac、Linux対応のプログラムに、Android対応プログラム「ESET Endpoint Security for Android」を追加し、マルチプラットフォーム対応製品へと進化させたもの。崎山秀文・エンドポイントセキュリティ営業部長は「iOS環境対応の機能強化も視野に入れている」と、OSの異なるすべての端末を安心して使える環境を整える。

 今回、製品名称を刷新したが、購入形態は従来のESET法人向けライセンス製品と同じで、利用OSの種類にかかわらず、利用台数分を購入するシンプルなかたちをとる。ちなみに、仮想サーバー環境では、ESET製品をインストールする仮想OS(ゲストOS)数でカウントし、マイクロソフトのHyper-VのホストOSへ入れる場合、1ライセンスの追加で利用することができる。

 最大の特徴は、両製品ともクライアント管理用プログラム「ESET Remote Administrator」を導入することで、各プラットフォームの端末を一元管理できることだ。崎山部長は「ウイルス対策の定義ファイル適用も、すべての端末環境で一緒にできる」という。

 ESETの導入企業は現在、中堅・中小企業が95%程度を占める。今回と今後進める機能強化を踏まえて、市場を中堅・大企業へも拡大することを目指す。「従来の商流に限らず、大量端末を導入することに長けたシステムインテグレータ(SIer)の支援を厚くする」(崎山部長)方針だ。

 パートナー制度の「ESETセキュリティ パートナープログラム(ESPP)」を一部見直して、大量販売できる販社に対する優遇策を講じることや別のプログラムを構想することも検討している。(谷畑良胤)