NTT東日本のクラウドサービス「Bizひかりクラウド」の民間利用が急ピッチで進んでいる。このサービスは2012年6月にスタート。当初はNTT東日本が得意とする自治体など、公共セグメントをメインターゲットにしていた。しかし、フタを開けてみると「民需が受注件数ベースで半分に達した」(西勝・ソリューションエンジニアリング部長)ことから、民需の本格的な開拓に力を入れる。

西勝 部長
 「Bizひかりクラウド」は、NTT東日本の担当地域17都道県に接続ゲートウェイを設置し、首都圏と北海道のデータセンター(DC)でクラウドサービスを運用するものだ。県域ゲートウェイと首都圏・北海道DCを一体的に運用することで、あたかも「各県にDCがあるのと同じ構造にした」(西部長)。こうすることで、「できれば県内の身近なDCを活用したい」という顧客のニーズと、「特定DCに集約して規模のメリットを追求したい」というITベンダー側のニーズを両立とも満たしているのが特徴だ。

 サービスを開始した当初は「DCは県内に置きたいが、コストは安いほうがいい」という自治体を主な顧客に想定していたが、ここ1年の受注状況を振り返ると「官需と民需がほぼ半々」(同)で推移しているという。首都圏と北関東、仙台、札幌は民需が多く、その他の地域は自治体や公共団体が多い傾向にある。東日本の自治体のうち、最終的には3分の1のシェアを獲得したいという公共セグメントの目標は掲げていたが、「民需の目標はこれから練り直す」。うれしい方向へ予想が外れたことから、民需分野の事業計画の練り直しに迫られているという状態だ。

 そこで打ち出すのが、地域に強いSIerやISV(ソフト開発ベンダー)との連携である。NTT東日本は、民需では主に中堅・中小規模ユーザーをターゲットとしていることから、「地域のSIerとのパートナープログラムをしっかりと整備して、広く連携できるよう準備を進めている」と、西部長は方針を語る。とくに業種業務アプリケーションやERP(統合基幹業務システム)のノウハウをもつSIerと組むことで、ユーザー企業に向けたワンストップサービスを構築する。こうした取り組みによって、「Bizひかりクラウド」のシェア拡大に努めていく。(安藤章司)